日本では、お線香やお香などを焚いて亡くなった人を供養したり、部屋に香を漂わせたりする風習があります。そんなときに使われるのが「香皿(こうさら)」というアイテムです。香皿は、お線香やお香を焚くときに必要なもので、様々なデザインのものが販売されています。

このページの目次はこちら
香皿とは?正しい使い方を解説
それではまず、香皿の目的と正しい使い方についてお伝えしていきますので、参考にしてみてください。
香皿は線香を焚くときに置く皿
お線香は香炉に立てて焚くか、線香立てに立てて焚きます。このとき、何も受け皿がないとしたが汚れてしまったり、香炉が傷ついてしまったりするので、香皿を使います。
香皿を使うと、お線香を置いた後に出てくる灰を掃除するときにラクになります。
種類別にみる香皿の使い方
香皿には大きく分けて2つの種類があります。「お線香を立てるタイプ」または「お線香を寝かせるタイプ」です。
では種類別に香皿の使い方をご説明します。
◆お線香を立てる香皿
香皿の上にお線香を立てて使うタイプです。香皿にお線香を立てる穴が開いているタイプや、お線香を立てる香立てがついているタイプなどがあります。
このように、お線香を立てる場所が決まっていますので、そこでお線香を焚くことにより香皿にそのまま灰が落ちていきます。香皿の上であれば、いくら灰が落ちても簡単に掃除ができるので、とても便利です。
お線香を立てる香皿は、丸い形や四角い形などで作られているものが多いです。そして、皿の上には余白があるので、そこに絵を描いたり彫刻を施したデザイン性のある香皿が販売されています。
香皿自体が割と小さく、形も丸や四角なので置く場所も小さくて済みます。
◆お線香を寝かせる香皿
お線香を寝かせても大丈夫なのかと心配になる方もいるでしょう。しかし、お線香は香皿の上で寝かせても問題はありません。
寝かせるので、長方形になっているものが多く、立てるタイプよりもデザインが様々用意されています。お線香を寝かせるために金属の網を香皿の中に敷いてあるものが多いです。
網の上で、お線香を焚くことで、灰が下に落ちていき香皿にたまっていきます。灰は香皿に落ちるので、こちらも掃除をするのがとてもラクになります。
◆香皿を掃除する
香皿に落ちた灰は、その都度ちゃんと捨てておけば問題ありません。ただ、香皿を使い続けていくと、お線香の「ヤニ」が付着するようになります。
ヤニというのは、植物性の脂なので香皿に溜まってしまうと、厄介な汚れになってしまいます。こびりつきが起きて、ヤニが落ちにくくなります。
そんなヤニ汚れには、「酸性」の食器洗剤や衣類洗剤が効果的です。香皿に吹きかけて少し放置すると、簡単にヤニ汚れが落ちます。
香皿を使い仏壇にお線香をお供えする意味
なぜ仏壇にお線香をお供えするのかと考えたことはありますか。お線香を焚くことには、その場所を清める、そして自分を清めるという意味があります。
また、お線香を焚くとその場にある「邪気」を祓うことができると考えられています。つまり、お線香を仏壇で焚くことにより先祖を供養することができるということです。
お線香を焚く頻度とは?
仏壇にお線香をお供えする頻度は、毎日です。お線香を焚き、邪気を祓うことにより先祖に対して1日の無事を祈ることができます。ですから、できるだけ毎日お線香を焚くことをおすすめします。
香皿でお線香を焚くときには、ライターでもマッチでも火をつけられれば問題ありません。ただ理想的なつけ方は、ロウソクに火をつけてから、そのロウソクの火でお線香に火を移す方法です。
もちろん時間的な問題などもあり、ロウソクを使えない場合には、マッチやライターで直接お線香に火をつけて大丈夫です。
香皿のお線香は勝手に消える
香皿に置いたお線香は、燃え尽きたら勝手に消えてなくなります。そして香皿の上には、灰だけが残ります。
ただ、途中でお線香の火を消したい場合には、手のひらを使って火元を扇いで消します。このとき、息を吹きかけて消すのは「不浄」と考えられているので、やらないように注意しましょう。
また、お線香が香皿の上で消えてなくなると、灰が残ります。その灰を掃除せずに、新しいお線香を焚いて、また消えてなくなるのを待つと、灰の中でお線香の根本部分が埋まってしまい、まだ燃えているというケースがあります。
こうなると、万が一の可能性で火事になってしまうかもしれないので、灰の掃除とお線香の火が消えていることの確認を怠らないように気を付けましょう。
香皿を使ってお線香やお香を焚く
香皿でお線香を焚く方法や注意点などが分かりました。また香皿では、お香を焚くこともできますので、お線香だけではなく部屋に香を漂わせて楽しみたいときにも使うことができます。
