公園墓地などに庭園や池が設置されている場合、「雪見灯篭(ゆきみとうろう)」という灯篭が置かれています。また、水際に雪見灯篭を設置している墓地などもあります。この雪見灯篭は、墓地が広い場合に区画に点々と置かれていることもあります。

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雪見灯篭の意味と設置の仕方
まずは雪見灯篭が設置される意味や目的、設置の仕方についてご紹介します。
雪見灯篭の意味とサイズの見方
雪見灯篭は「笠の形」を見ると分かるのですが、傘に雪が降り積もったように見えることから、その名前が付けられました。名前の由来は諸説あり、何が本当なのかハッキリとはしていません。ただ、下記のような説が有力だと考えられています。
◆傘に積もっている雪を見て楽しむものだから
◆明かりを灯すと「近江八景」の浮見堂に見えるので、そこから言葉がなまり「雪見」になった
どちらの説も素敵な名前の由来ですね。
さて、雪見灯篭には「笠」の対角線の長さを「尺」という単位で表します。(一尺=およそ30㎝)ですから、尺と寸で表示された長さを㎝に直して考える必要があります。
例えば「1尺5寸」という長さであれば「45㎝ほど」になります。
雪見灯篭を設置する方法
では、雪見灯篭を設置する方法についてご紹介します。一緒に雪見灯篭の部位名についてもご説明しますので、参考にしてください。
◆雪見灯篭の部位は4つ
・笠
・基礎
・火袋
上記4つが雪見灯篭の基本的な部位になります。ちなみに一般的な灯篭であれば、この4つに「竿・中台」がプラスされます。雪見灯篭は笠がとても大きくなっており、基礎が3つの足でできているのが特徴的です。
笠には「丸型の丸雪見」と「六角形の六角雪美」があります。
◆雪見灯篭は火袋の向きを正しく設置する
雪見灯篭は設置の方法を間違えると取り返しがつかないので、気を付けましょう。まず注意すべきは「火袋」の向きです。火袋は、灯篭の本体のことを指します。向きが正しくないと、雪見灯篭のバランスが悪くなってしまいます。
正しい火袋の向きは「穴があるほうを上にする」ことです。ロウソクを立てるための台を火袋に入れるので、必ず穴を上にしなければなりません。ここを間違えると、雪見灯篭を設置する意味がなくなってしまいます。
ちなみに雪見灯篭は素人が見れば、火袋の向きが逆になっていることは分からないでしょう。しかしロウソクを立てられなくなりますし、見た目的にもじっくり見ていればバランスが悪いことに気づきます。
せっかくの美しい雪見灯篭なのに、火袋の向きを間違えただけで見栄えが悪くなり、火を灯すこともできなくなります。これでは雪見灯篭を設置した人も、作ってくれた人もガッカリしてしまうでしょう。
ですから、必ず火袋の向きを確認することを忘れずに行ってください。
◆雪見灯篭は「受」を正しく設置する
雪見灯篭を設置するときには、火袋の下にある「受(うけ)」という部分をまず確認してください。「受」の面積が広い方を上にして設置するのが正しい方法です。下の面に行けば行くほどすぼまった形になっていますので、目で見るだけでも分かりやすいでしょう。
雪見灯篭の価格相場
雪見灯篭はサイズが色々用意されていますので、サイズによって価格も異なります。例えば1尺サイズであれば1万円前後で購入することができますが、2尺になると5万円以上になることが多いです。
このように1尺変わるだけで、かなり価格が異なります。また、使っている素材によっても価格に変動があるので相場価格というものを出すのは難しいと考えてください。詳しい価格を知りたい場合には、業者に問い合わせをするのが確実です。
雪見灯篭には種類がある
ではお次に、雪見灯篭の種類についてご紹介します。
・雪見灯篭角形
・古代雪見丸型
・古代雪見角形
上記のような種類に分けることができます。よく見ればわかるのですが、雪見灯篭は基本的に「丸型」か「角形」のどちらかに分かれています。
雪見灯篭が変化した兼六園の徽軫灯籠(ことじとうろう)
日本三名園の1つである兼六園には、シンボルとして徽軫灯篭(ことじとうろう)という灯篭が設置されています。実はこの灯篭は、雪見灯篭から変化して作られたものなのです。兼六園に観光に行く人や、よく行く人はぜひ徽軫灯篭(ことじとうろう)をチェックしてみてください。
雪見灯篭から変化して、兼六園のシンボルになった灯篭の歴史を感じることができます。
雪見灯篭を設置するときは慎重に!
雪見灯篭はとても素敵なデザインの灯篭で、その場の雰囲気を暖かなものにしてくれます。墓地だけではなく、街中でも雪見灯篭が設置されていることがあります。これから先、雪見灯篭を設置することがあれば、火袋の向きや設置するときの注意点などを思い出してください。そして、辺りを照らす素敵な灯篭になるように、慎重に計画を立てて設置するように心がけましょう。