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通夜振舞いとは?遺族が行う正しい作法
通夜振舞いとは、通夜に参列した弔問客や僧侶に対して「もてなしの食事会」を開くことです。
通夜振舞いをすることにより、遺族と弔問客が故人に対する思い出話などをすることにより、故人を偲ぶこともできます。
では、通夜振舞いをする立場になったとき、どのような作法で対応すればいいのかをご説明します。
通夜振舞いの挨拶
通夜振舞いでは、喪主が挨拶をして食事会がスタートします。そして最後もまた喪主が挨拶をします。
それでは開式と閉式の挨拶について、作法をご説明します。
<開式の挨拶>
通夜振舞いの開式の挨拶は、まず弔問客に対して感謝の言葉を伝えます。そして、弔問客が食事を遠慮なくできるように、喪主が声をかけてあげます。
<閉式の挨拶>
通夜振舞いは、1~2時間ほどで終わりますが、弔問客の多くは30分程度で退席することが多く、また通夜に間に合わなかった人が、通夜振舞いにきてくれることもあります。
そうこうしているうちに、通夜振舞いも終わりのときがやってきます。
閉式の挨拶をするときは、翌日に行うお葬式の予定を弔問客に伝えることもあります。
通夜振舞いの料理のマナー
通夜振舞いでは、料理にも色々なマナーがありますので、覚えておきましょう。
<料理は取り分けができるものを選ぶ>
料理は1人1人にお弁当などを出すのではなく、弔問客たち全員で取り分けができるような料理を出しましょう。
通夜振舞いに参加してくれる人数を、しっかりと把握するのはとても難しいので、人数が増減してもいいように取り分けができる料理が望ましいのです。
一般的には、『お寿司』『サンドイッチ』『オードブル』などが出てくることが多いです。
<お酒を出すことも忘れずに>
通夜振舞いでは、食事の他に日本酒やビールなどのお酒類も出します。
お酒には穢れを清めるという意味がありますので、お酒を出すのは基本です。
ただ、車で来てくれた人や子供のためにジュースやお茶なども用意しておきます。
<料理の量はどのくらいが適量か?>
どのくらいの人が通夜振舞いに来てくれるのか、はっきりと人数を把握することは難しいです。
ただ、通夜振舞いでは多くの弔問客は割と短い時間で退席をしますし、軽く料理をつまむ程度なので、通夜に参列する人数の2分の1程度の料理を出しておけば、問題はありません。
また、遺族や通夜振舞いを手伝ってくれている人も料理を食べるのであれば、もう少しだけ料理の量を増やしてもいいでしょう。
<僧侶が通夜振舞いに参加しない場合>
僧侶も通夜振舞いに参加してもらうのが一般的なのですが、遠慮をする僧侶もいます。そう言った場合には、『御膳料』を僧侶に渡すのが基本です。
通夜振る舞いで渡す「御膳料」と「お布施」の違い
通夜振る舞いを僧侶が辞退した場合には、『御膳料』を渡すのですが、『お布施』とは別ものなのかどうか、こちらでご説明します。
<御膳料とは?>
御膳料は、僧侶が通夜振舞いを辞退したときに渡す金銭です。
無地の封筒に『御膳料』と書いて、通夜の前後どちらかに渡すようにします。
御膳料の相場は5千円~1万円程度です。
<お布施とは?>
お布施は、僧侶が通夜や葬式で読経をしてくれたことへの謝礼として、支払う金銭です。
通夜振る舞いに参加するしないに関係なく、読経をしてもらったらお布施を渡すのが一般的です。
葬式の前後どちらかに、僧侶にお布施を渡します。金額は宗派や地域、寺院や僧侶との関係などによって異なります。
通夜振舞いをやらないケースも増えてきた
最近では、通夜振る舞いをやらないケースも増えています。
通夜振る舞いは、古くからの慣習だったのですが、葬式のあり方がどんどん変化しているので、通夜振る舞いを省略してしまう人もいるのです。
少人数の遺族のみで葬式をすることも増えており、近所づきあいもあまりないということが多いので、通夜振る舞いをする必要性がなくなってきているのです。
もし自分が亡くなったら、通夜振る舞いをするかしないかどうかを生前に家族で話し合っておくといいでしょう。死ぬことを考えて話をするのは、縁起が悪いと思う人もいるかもしれません。
しかし、そういった自分の考えや意思は死んでからでは伝わりません。ですから、通夜振る舞いを省略する、通夜振る舞いを行うという部分もしっかり家族に伝えておくといいでしょう。
通夜振舞いでは失礼のない作法でもてなしましょう
通夜振る舞いを行う側は、弔問客に失礼がないようにもてなしをしましょう。
また通夜振る舞いに参加する人は、途中で退席をしても問題はありません。むしろ多くの人が30分程度で退席するので、適度に切り上げるようにするといいでしょう。