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献香(けんこう)とは神仏へのお供え
献香は霊前でお香を焚き、神仏にお供えをする行為のことをいいます。
元来、献香は仏事だけで行われてきたものなのですが、神式の葬儀でも行われるようになってきました。葬儀のお焼香や、線香を供える行為も献香の1種です。
献香は宗派によって異なるやり方がありますので、宗派ごとの方法についてご説明します。
宗派による献香のやり方
宗派によって異なる献香の方法がこちらです。
キリスト教
キリスト教の献香は、プロテスタントとカトリックにより2種類の方法があります。
・プロテスタント
プロテスタントの葬儀は、基本的に焼香も献香も行いません。ただ、通夜式のときは、献花をする代わりに「焼香だけ」するケースもあります。
・カトリック
カトリックでは、参列者が行う献香と神父が行う献香の2つがあります。カトリック葬儀の場合は、神父が柩に聖水を注いでから、祭壇や棺の周りに「香を振りかける」という行為「散水」「献香」の儀式があります。
通夜・葬儀のときに、参列者が献花をする代わりに、焼香をするケースもあります。
神式
神式の場合、基本的に仏教に関係するものは使わないので、線香を供える、お香を焚くという行動はしません。献香に当たる儀式として考えられるのは「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」ですが、最近は神式に献香を用いるケースもあります。
※玉串奉奠(たまぐしほうてん)は、玉串を神様に供えるという儀式で、焼香の代わりに行われており、葬儀だけではなく七五三、お宮参り、地鎮祭、安産祈願など神道にかかわる儀式として用いられています。
曹洞宗
献香はお寺のご本尊や仏様に対して、香を捧げることが目的ですが、曹洞宗では献香を「金銭」で行うケースもあります。寺院の法要室を使用したときの料金として、献香料という形で金銭を納めることがあります。
浄土真宗
浄土真宗では、式典行事や報恩講など重要な儀式の中で、献華・献灯と一緒に献香を行います。
※報恩講とは浄土真宗の門徒が1年の中で1番大切にしている仏事のことです。京都の東本願寺で毎年11月21日から28日まで行われており、全国にある真宗大谷派の別院、寺院などでも日程を決めて1年に1回行われています。
献香にお金がかかる?
献香料という言葉があるように、献香にお金がかかるケースがあります。上記でもお伝えしたのですが、曹洞宗では寺院などに金銭を渡してお香を献ずることがあります。
寺院の行事、施設を利用したときの料金として寺院に納めるお金を献香料と呼びます。
では、献香料はどうやって渡せばいいのか?
そもそも献香料を入れるための袋や封筒はありませんので、寺院に納めるという点でいえば「紅白の熨斗」もしくは「可漏(かろ)」で持っていくといいでしょう。可漏という言葉で検索をすれば、ネット通販でも購入ができます。
カトリックの葬儀で献香(けんこう)が行われるタイミング
カトリックの葬儀は、キリストにより故人を神にゆだねるという目的があり、キリストの再臨・死者の復活を願って祈る儀式です。では、カトリックの葬儀では、どのタイミングで献香が行われるのか、順を追ってご紹介します。
1.入堂聖歌
まずは入堂聖歌が流れ出し、神父が入堂してくるので、参列者は起立をして神父を迎えます。棺は入り口に安置されており、神父が聖水を注いで祈ります。そして、神父のあとに棺と遺族が入場して、棺が祭壇に置かれます。
2.開式の辞
次に神父が聖水を注いで、棺と祭壇に「献香」をします。そして開式の辞を述べ、開祭となります。つまり、献香はこのタイミングで行うことになります。
3.着席・ミサ
最前列は喪主、遺族が座る席になり、その後ろに親族、友人、知人などが座ります。一同が着席をしたら、ミサが行われます。
献香料の勘定科目はどうなる?
献香料とは寺院に納めるお金なのですが、どのような勘定科目になるのか?
法人税や消費税法により、祈祷や初穂料などは「喜捨金」と呼び、寄付という認識になります。つまり寺院に支払う献香料であれば、課税対象にならないということです。
どうしても気になる場合には、税務署に確認をしてもいいでしょう。
献香(けんこう)は葬儀に欠かせないもの
