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焼骨は2つの意味がある!火葬や焼骨の歴史
焼骨という言葉は、あまり日常で使うことがありません。ただ、なんとなく耳にしたことがあるという方もいるでしょう。
では、焼骨の意味や歴史などをまずはご説明します。
焼骨の意味は2つ
焼骨は火葬をして残った「遺骨」のことを呼ぶ場合と、火葬自体を呼ぶ場合があります。基本的に日本では火葬を行うので、残った遺骨を焼骨と呼ぶことが多いです。
また、火葬という儀式そのものを焼骨と呼ぶケースもあります。
多くの場合は、残った遺骨を焼骨と呼びますが、中には火葬のことを焼骨と呼んでいる場合もありますので、会話や文脈などを考えて、どちらのことを指しているのか判断します。
焼骨の歴史
焼骨の歴史は、西暦600年前後から始まったと考えられています。
その後、西暦701年に火葬をすることを推し進めるための「大宝律令」が敷かれました。
703年になると、皇族が火葬を行うようになりました。そこからどんどん火葬という考えが日本に広がっていくことになります。
平安時代、室町時代のあたりでは、身分に関係なく火葬をするのが常識になります。
弔い方というのは、世界各国で様々な方法があります。ただ、日本ではこんなにも昔から火葬という風習が受け継がれています。
大昔は火葬をしていない時代もあったのですが、基本的に火葬の風習を持って日本は現代まで進んできたと考えていいでしょう。
現代の日本では、99%以上が火葬を行っています。火葬をすれば遺骨が残り、骨壺納めてお墓に入り先祖と一緒に居られるという良さもあります。
焼骨すると骨の色が変化する?
火葬をした後に残った焼骨を見ると、白色ではないことがあります。
一部分が「ピンク」「青」「緑」「黒」などに変色しているケースがあります。なぜ焼骨に色がついてしまうのか?実は、理由は色々とありこれと言った明確な説はまだありません。
では、諸説あるうちの有力な説をいくつかご紹介します。
・亡くなる前の病気や薬などが影響してしまった
・銀歯、ペースメーカーなど医療器具が影響してしまった
焼骨は、火葬をするときの温度により色が変わっていきます。高温になればなるほど、黒→灰→白というように色が変化していき、900度以上になったとき白から淡黄色になります。
ただ、高温になればなるほど色が変化していく理由も、未だにハッキリとしていません。
焼骨はどんな成分で構成されているのか?
人間の骨というのは「有機成分40%・無機成分60%」で構成されています。
火葬をすると骨の成分は「リン酸カルシウム」「ミネラル」などに変化していきます。
リン酸カルシウムとは、水に溶けない成分で土に分解もされにくいので、土に還るということがなく、そのまま残るものです。
そして湿気を吸い込む性質があるので、焼骨は完全密封をすることが基本となります。
焼骨や火葬の注意点
火葬は亡くなった人を焼却することであり、葬儀が終わってから行います。
ただ、亡くなってから(死亡判定から)24時間以内に火葬をしてはいけないという決まりがあります。
その理由は、昔に「仮死状態」を「死亡」と間違って判断してしまうことがあったので、すぐに火葬をしてしまうと、生きているのに焼いてしまうということになるからです。
現在は医学がかなり発達しているので、完全に死亡したという判断をすることができますが、昔は医学が未熟な部分があり、24時間以内に仮死状態から復活するというケースもあったのです。
そういったことから、24時間以内に火葬をしてはいけないという決まりができました。
ただ、通夜や葬儀などをすることを考えると、24時間以内に火葬をするなんてことは基本的にありません。
焼骨を納める「納骨」の方法
焼骨は、その後様々な方法で供養されます。一般的には骨壺に納骨をすることが多いのですが、最近では故人の希望に合わせて他の方法で供養をすることがあります。
例えば「樹木葬」という、木や花々をシンボルにした場所に納める方法や、「散骨」という焼骨を粉末状にして海に撒くという方法があります。
他にも、どこにもやらずに手元に置いたまま供養するというケースもあります。
焼骨を分けることを「分骨」と呼ぶ
焼骨を2か所以上に分ける方法を分骨と呼びます。分骨をして、1つはお墓に入れ、1つは手元に置いておくという場合には、「分骨証明書」は不要ですが、後にどこかに骨を納めたいという場合には「分骨証明書」が必要です。
焼骨と火葬の歴史を知り故人を供養
焼骨について詳しく深く考えたことがある人は少ないでしょう。ただ、こうやって歴史などを知ることで、故人への供養の考え方などが見えてくるのではないでしょうか。