墓石を作るときに「御影石(みかげいし)」という種類の石を使うことが多いのですが、この御影石は主に「火成岩」からできています。火成岩は、マグマが冷えて固まることで誕生する岩石で、「火山岩」と「深成岩」に分けることができます。

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火成岩とは?どんな特徴がある?
墓石の主な素材が火成岩だということを知っている人は、あまり多くありません。墓石を作ること自体があまり経験しないことなので、墓石の石の種類を知るタイミングというものに、巡り合うことが少ないのです。
では、火成岩の特徴などを詳しくご説明します。
火成岩とはどんな岩のこと?
火成岩は、マグマが冷えて固まることで生まれる岩石のことです。火成岩は「火山岩」と「深成岩」に分けることができますが、以前は2つの中間である「半深成岩」という種類もありました。ただ、現在では半深成岩という分類はせず、火山岩と深成岩の2つに分けられます。
・深成岩:マグマがゆっくり冷えて固まってできた岩石
このように、火成岩を2種類に分ける方法は「マグマが冷えるまでの時間」になります。
火成岩の特徴
それでは、火成岩の特徴についてみていきましょう。
◆ツヤツヤした光沢感がでる
火成岩を磨いてみると、表面がツヤツヤになり光沢感がでてきます。ですから、墓石にしたときに光沢もあり、重厚感もあるので「高級感」のあるお墓を演出できます。
◆耐久性に優れている
火成岩は、とにかく硬いという特徴があります。墓石を作るときに硬い石を使えば、傷がつきにくいですし、劣化しにくくなります。火成岩は耐久性に優れているので、長くキレイな状態を保ちたいのであれば、火成岩で墓石を作るのがおすすめです。中でも高品質の火成岩は、水分を吸水する率がとても低いので、雨に対してもかなり耐久性を持っています。
墓石は雨や風にさらされていますので、雨が降った時に墓石が水分を吸収してしまうことがあります。すると、墓石にカビが生えたり、劣化しやすくなったりします。しかし、高品質の火成岩は吸水率が低いので、こういった劣化を予防することができます。
墓石の素材に使われる火成岩の種類
それでは、墓石を作るときに使われる火成岩の種類をご紹介します。それぞれに特徴がありますので、墓石作りの参考にしてみてください。
◆安山岩(火山岩)
安山岩は、カルシウム・ナトリウム・輝石などが含まれている火山岩になります。安山岩の中には「長石」「石英」などが含まれており、有色鉱物は少ないので色合いが白っぽく見えます。
墓石にする安山岩として有名なのは、下記の3つです。
・長野県:鉄平石
・栃木県:那須石
◆花崗岩(深成岩)
花崗岩(かこうがん)は耐久性に優れており、硬さがあるのが特徴です。無色の「長石」と「石英」が豊富に含まれているので、深成岩の中でも白に近い色が見られます。
◆閃緑岩(深成岩)
閃緑岩(せんりょくがん)の主な成分は「斜長石」です。別名は「黒御影石」と呼ばれており、黒っぽい色合いをしています。
◆斑レイ岩(深成岩)
斑レイ岩(はんれいがん)は、傷がつきにくいという特徴があり「黒御影石」と呼ばれています。墓石だけではなく、建築の資材などに使われることもあります。黒に近い色が見られます。
火成岩と堆積岩の違いとは?
火成岩はマグマが冷えて固まった岩石ですが、堆積岩とは水の中に堆積した泥・砂などが固まってできた岩石のことをいいます。堆積岩は水に流されていくので、角が取れて丸い形になっていく特徴があります。
では、堆積岩の種類について少しだけご紹介します。
◆砂屑岩
小石、砂、泥などが固まって形成された岩のこと
◆石灰岩
貝殻、サンゴ、炭酸カルシウムなどが固まって形成された岩のこと
◆凝灰岩
火山岩が固まって形成された岩石のこと
火成岩を墓石に使うメリットはたくさん
火成岩には様々な種類がありますが、中でも「御影石」と呼ばれる火成岩は高級な墓石を作ることができます。ちなみに「御影石」という呼び方はいわゆる俗称なので、正式名称ではありません。
ただ、御影石と呼ばれている石であれば、光沢感があり耐久性に優れ、吸水率も低い墓石を作ることができます。ですから、火成岩を墓石に使うとたくさんのメリットを得ることができるのです。
火成岩の特徴を知り墓石作りの参考に!
墓石は決して安い買い物ではありませんので、慎重に検討をする必要があります。墓石が劣化しにくいものを作るには、火成岩など石の種類についても知識を得ておくと便利です。業者の言いなりではなく、自分たちでどのような墓石を作りたいのかをハッキリさせておき、意見をしっかり伝えていくことが重要です。
