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湯灌師(ゆかんし)とは?遺体を洗う、綺麗にする仕事!その費用は?

投稿日:2019年10月9日 更新日:

Yukanshi
終活アドバイザー「鈴木」
鈴木
ご遺体を入浴させる仕事があります。それが『湯灌師(ゆかんし)』という仕事です。なぜ遺体を入浴させる必要があるのか、そして湯灌師になるにはどうしたらいいのか、具体的な仕事内容や湯灌師の必要性などをご説明します。

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湯灌師(ゆかんし)とは?仕事内容や湯灌をする意味

世の中には色々な職業があります。

あまり知られていないのですが、遺体を入浴させる仕事を『湯灌師(ゆかんし)』と呼びます。

遺体を湯灌しなければ、納棺ができません。ただ、遺体の状態により湯灌をしないで納棺することもあります。

湯灌師(ゆかんし)の主な仕事

湯灌師は、遺体を入浴させて体を綺麗に洗浄することが仕事です。
ただ、最近では入浴をさせずに遺体の体を拭くという『清拭(せいしき)』という形で、簡易的に済ますことも増えています。
本来、湯灌の儀とは、来世で新たに生まれ変わって欲しいという願いが込められています。
また、現世の煩悩や苦しみ、そして汚れを洗い清めることにより、故人が新たな旅立ちをできるようにという意味もあり、古来より全国各地で大切にされてきた儀式です。
最近は、清拭という簡易的な形で行うことを「拭き湯灌」とすることもありますが、遺族が希望した時には昔ながらの湯灌が行われますし、地域によっては古い風習の通りの湯灌を行うこともあります。

遺体を入浴させるのではなく布団に寝かせたままで清拭を行い、その後に逆さ水や末期の水の儀式を行う古式湯灌などを行う場合、葬儀社が用意した専用の車両や簡易の浴槽などを使って行うシャワー湯灌などが行われることもあるようです。

湯灌だけでなく、死装束も簡略化されており棺に帷子をかけるといった方法が取られることもあります。

湯灌師は昔からある仕事で、葬儀において重要な役割を果たしていること自体は変わりませんが、湯灌の内容については時代とともに変わっていると言えそうです。

ちなみに湯灌師は、入浴させるだけがすべての仕事ではありません。

遺体を入浴させて、着衣や死に化粧、髭剃りなどを湯灌師が行います。

また、納棺作業に関しても湯灌師が一部担当することがあります。

湯灌をする意味は感染を防ぐため

なぜ湯灌師が必要なのか、それは感染を予防するためです。

人間が死ぬと、体はどんどん腐敗していきます。腐敗が進むと、血液、体液、ウイルスなどが体の外に出ていくようになります。

病院で亡くなった人であれば、看護師によって『エンゼルケア』をしてもらうので、遺体が腐敗をして周りに悪い影響を与えることもなくなります。

ただ、自宅で亡くなってしまった人の場合は、腐敗しないようにしっかりと対処できないこともあります。

そんなときに、湯灌師がいることにより腐敗が進まないように処置をすることができるようになります。

故人と別れる葬儀のときや、故人に触れたときに感染してしまったら問題です。そうならないために、湯灌師が活躍しています。

湯灌師(ゆかんし)と納棺師の違いとは?

湯灌師と納棺師には、どのような違いがあるのか。

まず湯灌師は遺体を納棺する前に、体を綺麗にしてあげるのが仕事です。

納棺師は故人を棺に納めるために必要な存在です。

湯灌師と納棺師という言葉は異なりますが、2つの職業に明確な業務内容の違いはありません。

湯灌師(ゆかんし)とエンバーマーの違いとは?

湯灌師とエンバーマーは、どう違うのか。

エンバーマーは、遺体に『エンバーミング』という処置を施す仕事をする人です。

エンバーミングというのは、化学技術や薬液などを使って遺体の損傷している部分を修復して、防腐処理をすることです。

エンバーミングすることで、生前に近い状態にしてあげることができます。

湯灌にかかる費用

湯灌をすると、一般的には5万円前後の費用がかかります。

故人の体を清拭して、装束に着替えさせ、整容するという程度の湯灌であれば5万前後もあれば済むのですが、自宅に浴槽を持っていって入浴させると10万円前後になります。

湯灌の方法などによって、金額は変動するので5万円~10万円前後だと思っておきましょう。

亡くなった人を納棺するまでの流れ

亡くなった人に対して医師が『死亡宣告』をして『死亡診断書』を作成し、この書類を持って役所に行って『火葬許可証』をもらいます。

病院で安置されている遺体は、看護師などにより『エンゼルケア』を行います。ここで湯灌をするか、葬儀場で湯灌をするかはそのときの状況などによって異なります。

葬儀社に連絡をして、故人を病院などから搬送してもらいます。

葬儀社と葬儀の打ち合わせをして、通夜の前に遺体を納棺します。

ここで納棺師が遺体をキレイにすることもありますし、湯灌師が行う場合もあります。

湯灌師(ゆかんし)の仕事は葬儀社ではできない

湯灌や遺体の修復措置などは、葬儀社のサービスで行うことはできません。

ただ、死に化粧や着替え程度は葬儀社でも行うことができます。

基本的に葬儀社のスタッフが死に化粧をしたり、納棺を担当していますので、葬儀プランの中に含まれていることが多いです。

ですから、湯灌をしてもらいたい、遺体の損傷を修復してもらいたいという場合には、オプションという形で葬儀社に依頼をすることが多くなります。

湯灌師(ゆかんし)に依頼をするケース

湯灌をしてもらうケースというのは、最後はキレイな状態で送り出したいと考えるときです。

またエンバーミングをする場合は、事故などで体の損傷が大きい場合に『このままでは可哀想だ』という気持ちから、お願いをすることが多いです。

費用がかかるものではありますが、故人の最期をできるだけキレイな状態にしてあげることで、遺族の気持ちにも変化が起きるものです。

湯灌師に向いている人物像とは

湯灌師は体力的にも精神的にもきつい仕事ですが、映画「おくりびと」の影響もあって、葬祭関連の仕事を志す若い人が増えているということです。

専門学校で湯灌師や納棺師、エンバーマーの資格が取得できるようになったこともあり、以前に比べると湯灌師になるための方法が明確になったのも理由の一つかもしれません。

ただし、学校で勉強すればできるわけではないのが湯灌師の仕事です。

どんな人が湯灌師に向いているのか、一般的に言われているのは次のような人物像です。

・様々な経験をしてきた人
若い人よりはある程度の年齢の人、若くても人生経験豊富であることが求められます。
これは、湯灌師が遺体だけでなく遺族という生きた人間とも接する仕事だからで、残された遺族への気遣いを忘れず、湯灌師としての仕事を行うことが重要だからです。

・美的センスがある
遺体を綺麗な状態にして送り出す湯灌師は自分自身の美意識の高さ、センスも問われます。
もちろん、自分のセンスを押し付けるわけにはいきませんが、人を綺麗にする、自分が綺麗でいることに気を遣えるかが大事なポイントです。

・集中力がある
湯灌師の仕事は失敗が許されません。
そのため、目の前の遺体に集中できることが大切です。
ただし、感情移入しすぎず、常にニュートラルな気持ちを保ち続ける必要があります。

湯灌師(ゆかんし)はとても大切な仕事

遺体を触る、遺体に何かの処置をするという行為を怖いと感じる人もいるでしょう。

しかし、湯灌師は遺体に寄り添い、遺体を少しでも綺麗にしてあげたいという気持ちで、湯灌を行います。

そういった湯灌師の方の仕事があるからこそ、遺族も故人を偲ぶことができるのです。湯灌師が、とても大切な仕事だということが分かります。

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終活アドバイザー「鈴木」
鈴木
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