根石(ねいし)という言葉を聞いたことはありますか。多くの人が聞き馴染みのない言葉かもしれません。根石とは、お墓の土台になっている「墓石」のことを指す言葉です。根石を置くことで、お墓がとてもよい印象になります。根石の上には、墓誌や墓碑などお墓の本体となる部分が建設されます。

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根石とは?材料は何でできている?
根石とは、お墓の土台になっている部分のことです。根石があれば、「化粧石」としても機能してくれるので、とても役立つ存在です。根石の上には、墓誌・墓碑などお墓本体が建設されますので、お墓にとってなくてはならないものです。
根石が化粧石になるとは?
化粧石というのは、お墓のカロート(納骨する部分)の部材となるもので、地面から上に出ている部分の「見栄えをよくする石」のことです。見た目の印象が大事なので、周りの石材などと同系色で仕上げることが多いです。
根石はお墓の土台なので、この化粧石のような役目も果たしてくれるということです。同じような色合いにすることで、雰囲気もよくなりますので、見栄えもしっかりと整えることができます。
根石に使われている材料
根石には、墓石をすべて支えるという重要な役目があります。つまり、墓石の基礎が根石ということになりますので、とにかく「頑丈」でなければなりません。根石にするのであれば、「耐久性に優れている」「水を吸収しにくい」「硬度がある」という3つの条件をクリアしていることが重要なポイントです。
石材の種類は、国産と外国産を合わせると300種類ほどあるので、根石の材料を選ぶだけで大変な作業になります。しかし、納得のいく理想的な根石の材料を選ばなければ、よいお墓が完成しません。
根石には、「花崗岩」「安山岩」「斑レイ岩」「閃緑岩」という4つの種類の石材を使うことが、ほとんどです。これらの石材は、墓石の素材にもなっているので、統一性のある根石を作成することができます。
4つの石材の中でも、花崗岩の1つ「御影石」を根石にするのが最適です。その理由は、御影石がとても硬度のある石で、耐久性もあるというところにあります。御影石は火山によってマグマが地下で固まって生まれたものなので、とても耐久性に優れています。
このように、根石にするのであれば、基礎として十分な役目を果たせるような石材を選ぶことが重要なポイントです。
根石の上に建つ墓石の種類
根石の上には、墓石が建てられることになります。この墓石というのは、ただ1つだけのものではなく、様々な部位が集まって墓石として完成します。ですから、根石は様々なものを上に乗せていることになります。それでは、墓石の部位について詳しくご説明します。
◆石碑
納骨されている人の戒名を彫刻したものを石碑と呼びます。また、墓石を建てた人の名前も彫刻されていますが、最初は赤色になっており亡くなった後は白色または黒色になります。
◆水鉢
墓石には、へこんでいる部分があるのですが、その部分を水鉢と呼びます。水鉢に水を張ると、故人の喉を潤してあげることができると考えられています。ちなみに、仏教では水と線香のかおりが、故人にとって「御馳走」だと考えられています。また、浄土真宗のお墓には水鉢はありません。
◆花立
水鉢と一緒に作られているのが花を供える花立です。宗教によって違いはありますが、墓石にお花を供えるという行為は、日本のみならず世界中で行われているものです。仏教では、お釈迦様がお花を捧げて供養をしたということから由来して、墓石にお花を供えています。
◆香炉
線香を供える部分を香炉と呼びます。仏様にとって、線香のかおりは「御馳走」なので、故人の幸せを願い香炉が設けられています。
◆灯篭
左右に1対または、右側に1つだけ作られるオプション的な装飾品です。灯篭があれば、安らかに眠れると考えられています。また、お墓参りをするときに灯篭を目印にすることができるということで、建てられています。
◆拝石
墓石の前に石が敷かれているのですが、その部分を拝石と呼びます。拝石をどかしてみると、カロートという遺骨を納める場所があります。このカロートに雨水などが侵入しないように、板状の拝石が敷かれています。
根石にかかる費用はいくら?
根石は基礎なので、墓石のように彫刻をしたりデザインに凝ったりするものではありません。ただ、基礎なので一定のサイズが必要になりますので、大きなお墓であれば根石の石材も大きくなり、費用もかかります。
相場は、安い中国産の御影石なら3万円程度、質の良い国産の御影石なら10万円程度となっています。基礎となる部分なので、どの程度まで費用を捻出できるのか、家族や石材店と相談をしながら、根石の素材を決めていきましょう。
根石の存在を知り納得のいくお墓を建てましょう
根石により、お墓が支えられているといっても過言ではありません。ですから、お墓を建てるときには、墓石作成にも注力しながら根石の素材選びにも注力しておくとよいでしょう。後悔のないお墓を建てるために、基礎はしっかりとしたものを用意しましょう。