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枕経(まくらぎょう)とは?費用とマナーについて
枕経は、故人を納棺する前で僧侶が「お経」を読み上げることをいいます。
以前は自宅で葬儀を行う家庭が多かったので、こうやって故人の遺体の前で枕経をすることが多かったのですが、最近では葬儀場で葬儀を行う人が増えているので、枕経が省かれるようになりました。
枕経(まくらぎょう)の費用
枕経は僧侶がお経を読み上げる儀なので、僧侶に「お布施」という形でお金を渡すことになります。
枕経のお布施の金額は地域などにより異なるのですが、基本的な相場は1~2万円となります。
ただ、枕経の後に行われるお通夜、葬儀、初七日、四十九日の法要のお布施も一緒に僧侶に渡すこともあるので、その場合には20~50万円が相場となります。
それから、枕経のために僧侶が遠くからきてくれた場合には、「お車代」という交通費を、僧侶に渡します。
お車代は5千円~1万円が相場となっており、枕経が終わってから僧侶に手渡しましょう。
枕経(まくらぎょう)のマナー
枕経を行うときには、どのようなマナーを覚えておけばいいのか?恥ずかしい思いをしないために正しいマナーをこちらで覚えていってください。
枕経のときの服装
枕経を行ってもらう場合は、喪服じゃなくても大丈夫です。平服で問題ありませんが、派手な服装はやめましょう。地味な目立たない服装で枕経を行います。
また、女性も男性もアクセサリーは身に着けないで枕経に参列をするのが基本です。中でも光輝くアクセサリーは身に着けないように注意してください。結婚指輪はそのままで大丈夫です。男性のネクタイピンも身に着けないほうがいいでしょう。
枕経では枕飾りが必要?
枕経を行う場合には「枕飾り」を準備してください。そして小さな祭壇を設置して、僧侶にお経を読み上げてもらいます。枕飾りは基本的に葬儀屋がよういをしてくれますので、枕経を行う場合であれば、葬儀屋に相談をしましょう。
僧侶にお茶菓子などを振舞う?
枕経にきてくれた僧侶に対して、枕経が終わったらお茶やお菓子を振舞います。ただ、ご飯は食べていかないことが多いので、あまり必要ではないのですが、一応準備をしておくことをおススメします。
枕経が終わったあとは線香を絶やさない
枕経が終わってから遺体を納棺するまでの間、線香とロウソクの火は消さないようにしてください。
線香とロウソクには、故人があの世に迷わずに行けるように「道案内をする」という意味があるので、消してはいけないのです。ですから、枕飾りのそばに遺族の誰かが残るようにして火を見守ってください。
枕経のときに喪主が挨拶をする必要がある?
枕経のとき、喪主がわざわざ大々的に挨拶をする必要はありません。ただ、枕経を始めるときと終わったときには、必ず僧侶に挨拶をしてください。
枕経に一般の参列者がくることもある
以前は近隣の人が枕経にきてくれることもあったのですが、最近では遺族や親族だけで行う家庭が増えました。ただ、故人と親しかった人が参列してくれることもあります。参列をするしないという決まりはないので、親しかった人と遺族で相談をしてください。
枕経(まくらぎょう)は宗派によって準備や方法が異なる
枕経とは、衆はによって違いがありますので、代表的な3つの宗派ごとの枕経について簡単にご説明します。
浄土宗 | 浄土宗は「納棺尊号」というものを、棺の中に入れて枕経を行います。「納棺尊号」とは、「南無阿弥陀仏」が神に書かれている「六字名号」のことを指します。この枕経は、浄土宗がもつ独自のやり方なので、注意してください。 |
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真言宗 | 真言宗は、枕飾りを故人の前に設置して、僧侶が故人に対して「末期の水」「印結び」を行ってから読経を始めます。枕元に「不動明王」の軸をかけるのも真言宗のやり方です。ちなみに枕元の軸は、寺院側が用意してくれることがほとんどです。 |
曹洞宗 | 曹洞宗では、読経の前に故人の枕元に「線香・ロウソク・四華花」を供えます。枕経で読むお経と、通夜で読むお経が違うという特徴があります。枕経で読むお経は、舎利礼文や遺教経などの多い地域により異なっています。 |
枕経(まくらぎょう)は葬儀屋と相談をして決めましょう
最近では、枕経を行わない場合が増えていますので、絶対にやらなければならないというわけではありません。ですから、各々の事情により「やる・やらない」を決めればいいのです。
