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座棺(ざかん)とは?土葬で埋葬するときの方法!現在は寝棺が主流

投稿日:2020年2月3日 更新日:

Zakan

座棺(ざかん)とは、その名の通り座ったままの姿勢で棺に遺体を納めるという状態です。一般的に考えて、座ったままで棺に入れられるというのは、ありえないと考えるでしょう。しかし、実際に座棺という風習が存在していたことがあります。では、具体的に座棺をする意味や、座棺での埋葬法についてご説明しましょう。

座棺とは土葬に適した納め方

座棺は遺体を座った状態にして棺に納めることをいいます。一般的に遺体は寝かせた状態で棺の中に納めますので、座った状態というのは想像できない人も多いでしょう。

しかし実際には、座棺という言葉の通り座った状態で棺に入れられるという風習がありました。

手足は折り曲げて、いわゆる「体育座り」のような姿勢にさせて棺に入れます。なぜ座棺が使われたのかというと、昔は「土葬」をすることが多かったので、遺体を運びやすくするために、コンパクトな形にしたいということで、座棺が誕生しました。

座棺が始まったのはいつから?

座棺の埋葬方法というのは、様々な説がありいつの時代から生まれたものなのか、明確ではありません。

ただその中で有力な説は「鎌倉時代」に座棺が生まれたというものです。

まず、座棺が始まった当初は遺体を座らせた形でも、しっかりと蓋を閉じることができる大きさの「桶」に遺体を入れていました。

現在では通夜や葬儀が行われていますが、葬儀の儀式というのは「江戸時代」に始まったということが分かっています。

そして、土葬はいつまで日本で行われていたのか、そこが1番気になるところです。その真相は、実に「明治時代」まで土葬で遺体を埋葬していたという事実があります。

明治時代に火葬という手段も不可能ではなかったのですが、遺体をしっかりと火葬するための十分な火力を出せる火葬場がなかったので、メインは土葬になっていました。

ですから、明治時代でも座棺による土葬が日常的に行われていたということです。

この座棺という姿勢は、仏教の「座禅」にとても良く似た姿勢になります。そういった背景もあり、故人が成仏できるという意味を込めて座棺を行っていたという部分もあります。

現在は平成が終わり、令和がやってきた時代ですが、明治時代というとそこまで大昔というわけではありません。そんな明治時代に、まだ土葬をしていたと考えると不思議なものです。

寝棺で火葬をする時代に突入

座棺では土葬をするという一般的な風習がありましたが、寝棺で火葬をするという風習に変化していきます。

明治から大正時代にかけて、火葬場の設備や技術などが躍進したことにより、遺体をしっかりと火葬することができるようになりました。

まだ現在と比べれば不完全な部分は多かったのですが、徐々に寝棺の状態で火葬をする施設が増えていきました。

しっかりと寝棺で火葬ができるようになったので、昭和になってからなので、まだまだ寝棺火葬の歴史というのは浅いことが分かります。

なぜ座棺から寝棺に変化したのか?

昔は座棺で土葬をしていたのに、なぜ寝棺で火葬をするようになったのか、そこが気になるポイントでもあります。

土葬をやめて火葬に切り替えた理由というのは、色々とあります。

1つ目は、遺体を土葬するといつか腐敗してしまい、感染症を広げてしまうというデメリットがあったので、それを改善するために火葬して腐敗するのを防いだという理由です。

2つ目は、亡くなった人は「死後硬直」を起こして筋肉が硬くなってしまい、自由に体を動かせなくなってしまいます。そうなると、座棺の姿勢にさせるのがとても難しくなります。そこで、遺体が自然な状態のまま棺に入れるように、寝棺が広まっていったという理由です。

このように、座棺の歴史と寝棺への変化というものを知ると、今後も火葬に関して少しずつ変化していく部分が出てくるのではないかと感じます。

実は土葬は禁止されていなかった

日本では現在、火葬しかしてはいけないというイメージがあります。しかし実際には、日本の法律で土葬を禁止するというものはありません。

墓地や埋葬などに関する法律があるのですが、この中で土葬は火葬と同じ扱いを受けています。ですから、土葬をしてはいけないというイメージは、ただのイメージでしかありません。

しかしながら、衛生問題などの観点やお墓にお骨を納骨するという背景があり、土葬を自ら希望する人や遺族というのは、ほとんどいません。

ちなみに、墓地の経営を行うには「都道府県知事の許可が必要」なのですが、各都道府県では条例を定めています。その中で、東京都など大都市では「土葬禁止区域」というものを指定しています。

また他の地域であっても、土葬は受け入れないというルールを設けている自治体などがあります。

こういったことから、土葬を行うという意識は日本人の中に無いという状況になっているのでしょう。

現在は座棺ではなく寝棺が主流

座棺は昔の土葬に関する棺への納め方であり、現在では寝棺で火葬するのが一般的です。なので、座棺のやり方などを現在に活かす必要はありません。ただ、知識として覚えておくと、埋葬方法や棺への納め方などに歴史があったことを知れて、面白いのではないでしょうか。

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終活アドバイザー「鈴木」
鈴木
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