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夜伽(よとぎ)とは?故人に夜通し付き添う行為!通夜との違いや歴史を解説

投稿日:2019年10月18日 更新日:

Yotogi
終活アドバイザー「鈴木」
鈴木
家族が亡くなった時「夜伽(よとぎ)」を行うという風習があります。夜伽とは簡単に言えば、故人のそばに誰かが必ずいること、そして夜も寝ることなくそばに付き添っていることです。日本で行われている夜伽という風習ですが、最近ではあまり聞き慣れなくなってきました。では、最近の夜伽の状況や詳しい内容、意味などを徹底解説します。

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夜伽(よとぎ)とは?お通夜との違いは?

夜伽とは、亡くなった人のそばに付き添って、夜も寝ることなく絶えず誰かが一緒にいることをいいます。ちなみに、葬儀が行われるまでの間、つまり一晩だけ故人を守りきるという点では、「通夜」も同じような意味があります。

では具体的に、夜伽と通夜の意味と違いについてご説明します。

夜伽と通夜にはどんな違いがあるのか?

通夜というのは、葬儀の前日の夜に執り行われるもので、葬儀が始まるまでの間「故人を守る」という目的があります。そうなると、夜伽も通夜と同じような意味があるといえますが、違いを示すとすれば、このようになります。

夜伽→故人を夜通し守るための儀式・行為そのものの名称

通夜→夜伽を行う日のこと

このように、基本的な目的は夜伽も通夜も同じだと考えていいでしょう。

夜伽を行う意味とは?

夜伽では、故人に誰かが必ず付き添うという儀式であり、その他にも「ロウソク・線香」を絶やさないように見張る必要があります。

このロウソクや線香というのは、故人の遺体に「魔」が近づかないようにするために焚かれているものです。また、昔は故人が生き返ることを願って線香などを焚くという意味もありました。

さらに昔は今よりも衛生環境が悪かったので、遺体から匂いが出てきても線香の匂いで緩和させることができるということで、絶やさずに焚いていたという目的もあります。

夜伽の歴史について

夜伽には歴史があり、故人と1番近しい人物が「同じ布団で寝る」という行為を夜伽と呼んでいました。例えば妻が亡くなった場合には、夫が同じ布団に入って寝る、親が亡くなったら子供が同じ布団に入って寝るという行為です。

現在では、同じ布団に入ることはなく、付き添っていればそれで夜伽となります。

奈良時代以前から、すでに通夜は存在していたと考えられています。ただ、この時代には仏教の葬儀というものが普及していなかったので、通夜をする意味は故人が生き返ることを願うためだったと考えられます。

どうにかして故人が生き返ってくれないか?と願いながら、故人のそばに付き添い、最後のお別れの時間を過ごしていました。ここに宗教的な意味合いが含まれていたのかどうかは、ハッキリとしていません。ただ、この行為が夜伽のもとになったと考えていいでしょう。

宗教によって異なる「通夜」の呼び方

通夜は奈良時代よりも前にあったと言われる言葉ですが、その時代には仏教も普及していなかったため通夜に宗教的な意味合いはなかったと言われています。

その後、仏教が日本に広く広まり、仏教的な意味合いでの通夜が執り行われるようになりました。

仏教における通夜は、お釈迦様が亡くなった時に弟子たちが遺体を囲んで夜通し語り合ったことが起源とされており、故人の成仏を祈る意味のある葬儀とは意味合いが違います。

最後の別れを惜しむ場は仏教では通夜と呼ばれていますが、神道では通夜祭、キリスト教では前夜式という名称です。

ただし、通夜の名称は違うものの神道でも夜伽が行われることはあり、キリスト教では夜伽の慣習自体ないものの棺の傍に置かれたロウソクは絶やさず灯し続けています。

現在の通夜はどんな形になっているのか?

それでは、現在において通夜とはどのような形になっているのかをご説明します。

昔であれば、多くの人が自宅を使って通夜、葬儀、出棺を行っていました。ただ、現在では様々な状況の変化によって、自宅で葬儀をする人が圧倒的に少なくなっています。多くの場合は、葬儀場などを利用して通夜と葬儀を執り行っています。

また、通夜に関しても変化がみられています。最近では「半通夜」というタイプの通夜を執り行う人が増えています。本来の通夜というのは、夜通し弔問客を受け入れて、葬儀までの間ずっと続くものです。

しかし半通夜は、夜の9時~10時頃までには終わるようになっています。これは、遺族の体の負担などを考えて、夜通し行う通夜をやめて半通夜にしたほうがいいと勧める人が増えてきたからです。

ですから、現在の通夜というのは、基本的には半通夜だと思っていいでしょう。

現在の夜伽はどんな形になっているのか?

通夜の形が変化しているということは、夜伽の形も変化しているということです。通夜が半通夜になった理由というのは、夜伽をすることができなくなってきたからという理由もあります。

現在は斎場を借りて通夜を行うことが多く、斎場側でも夜通しロウソクや線香を焚くことを「防災上の観点」から認めることができなくなってしまったのです。中には、ロウソクの形を模した電気などを使って、夜伽を認める斎場もあります。

しかし、故人と同じ部屋で遺族が過ごせる、つまり夜伽ができる部屋というものが、少なくなってきたのも事実です。そういった部分から、遺族も半通夜が終わったら一度自宅に戻って、また翌日の葬儀の際に斎場にやってくるのが、一般的になりつつあります。

夜伽ができる斎場も残っていますが、夜伽を省いている斎場もたくさんありますので、自分たちは夜伽をしたいのか、できるのかをしっかりと確認してください。

夜伽見舞いとは?

夜伽見舞いとは、徳島県や千葉県などの限られた地域で行われている夜伽の風習の1つです。基本的には西日本で行われているケースが多い傾向にありますが、東日本の中では千葉の都市群やその周りの地域、また北海道の一部地域などで行われています。

夜伽は遺族が故人を守るために行う儀式ですが、夜伽見舞いはそこに親族が集まり食べ物や飲み物などを差し入れる儀式です。ちなみに、一緒に食べ物を食べたりして故人の思い出を語り合ったり、色々な話をすることで供養をするという目的があります。

夜伽自体が省略されるようになったので、夜伽見舞いをする人も少なくなってきました。ですから、地域によって夜伽見舞いの作法やルールというのは厳格にいえば異なります。ただ、異なるとしても葬儀を行う人や地域の風習に合わせるのがマナーです。

夜伽見舞いの金額

昔の夜伽見舞いは、軽食や飲料を差し入れするのが一般的でした。ただ、近年ではどうしても夜伽見舞いに顔を出せない人や、すぐに帰らなければならない人などもいますので、食べきれずに腐らせてしまうことがあります。そうなると、とても勿体ないので「現金」を渡すのが主流となりつつあります。

金額は2,000円~3,000円程度が多く、香典とは別ものとして渡します。ですから、夜伽見舞いとして現金を持っていったからといって、通夜または葬儀で香典を渡さなくてよいというわけではありません。

また、夜伽見舞いを渡したいときには、受付で「夜伽見舞いです」と伝えるようにしましょう。香典とは別ということをしっかりとお伝えする必要があります。

夜伽見舞いの正しい書き方とマナー

夜伽見舞いを渡すときは、「のし袋」を使って正しい言葉を記入する必要があります。まず重要なのは、故人や遺族に失礼のないようにマナーをしっかりと守ることです。では、具体的な書き方についてご説明します。

・のし袋に「夜伽見舞い」と書く
・水引は「白と黒」
・自分の名前を記入する
・夫婦なら連名を記入(それぞれの名前をフルネームで)
・中袋の表または裏に金額を記入
・中袋の裏に自分の名前、住所を記入

以上の点を守って記入をすれば、マナー違反となることはありません。また、現金ではなく「お菓子など」を差し入れする場合には、品物に「のし紙」をつけてもらい「夜伽見舞い」と書いてもらいましょう。

夜伽が省かれても故人への気持ちは変わらない

夜伽の意味や通夜との違いなどが分かりましたが、最近では夜伽を省くことも増えています。夜伽を絶対的に行いたいという場合や、夜伽は不要だと考える人など、それぞれに思うことは異なります。

本来、夜伽は個人が生き返ってくれることを願い、それまでご遺体を守るために行われるものでしたが、現在は行き帰りを願うというよりは、故人を偲ぶ、故人の生涯に思いを巡らせるといった意味合いが強いのではないでしょうか。

ライフスタイルの変化、葬儀を執り行う会場が自宅ではなく斎場になったなど、夜伽を行うことが難しくなったのは確かで、一晩中付き添っていたいと思っても現実問題として不可能というケースも多いはずです。

こうした事情もあり、夜伽という言葉自体を知らない人も増えており、夜伽と通夜の違い、夜伽にはお見舞いが必要なのか、何を送れば良いのかについて悩むことも少なくありません。

最近は葬儀自体も変化しており、家族だけで見送る家族葬、葬儀ではなくお別れ会のみを執り行うといった場合もあります。

逆に、一般的ではない夜伽をしたい、最後に大切な人と過ごす時間を持ちたいと考える人もいます。

夜伽という言葉があまり聞かれなくなったとしても、葬儀の形が変化したとしても故人への気持ち、故人を悼む気持ちに変わりはありませんが、残された立場としてはできる限りのことをして見送りたいと思うのは当然です。

終活アドバイザー「鈴木」
鈴木
もし夜伽をしたいということであれば、葬儀会社に相談をしてみるといいでしょう。

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終活アドバイザー「鈴木」
鈴木
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