お墓には「外柵(がいさく)」と呼ばれるものが設置されています。ただ、何を目的として外柵が設置されているのか知らない人も多いようです。

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外柵とは?どんな目的で設置されるのか
まずは、外柵がどのようなものなのか、そして何を目的として設置されているのかをご紹介します。
外柵とは境界線の意味を持つ
外柵という言葉を聞いて、お墓に関係するものだと分かる人は少ないでしょう。外柵は墓石の周りを囲んでいる背の低い壁のことを指します。説明されると、そういえば墓石の周りに外柵がある!と思い出すことができるでしょう。
外柵は「境界石」とも呼ばれており、隣の墓石との境目を作るために設置されています。外柵がなければ、隣のお墓とそのまま同じ空間に墓石が建てられているような雰囲気になるので、外柵は意外と重要なものなのです。
また、「カロート」と呼ばれる遺骨を入れる納骨棺が墓石の中にあるのですが、カロートと外柵が一体化しているものもあります。墓石を置く面積が狭い場合に、一体型のものを利用することがあります。
外柵の目的とは?
外柵は主に3つの目的を持って、設置されています。
- 墓石の土台をつくる
墓石の土台を補強するために外柵を設置するという目的があります。墓石は霊園や墓地の管理者や、お参りにきた家族などが手入れをします。しかし、いくら定期的に手入れをしても、外に墓石があれば雨風などにさらされてしまい、地面が陥没してしまう可能性もあります。そんなときに、土台が補強された墓石であれば地面が陥没するのを防ぐことができます。外柵を設置して、墓石が劣化するような外部からの影響を少しでも緩和させることができるのです。
- 墓石を置く「区画」を決める
墓石は霊園や墓地の中にある、どこかしら空いている区画を使わせてもらって建てます。墓石だけではなく、その下には遺骨を納めるカロートもありますし、思ったよりもスペースを必要とします。そんな区画を決めるときに、外柵がないと「どこからどこまでが自分のお墓の区画なのか分からない」という状態になってしまいます。周りのお墓と区別するためにも、外柵を設置して境界線をハッキリさせます。
- あの世とこの世の境界をつくる
墓石を建てる区画を外柵で区切ることにより、あの世とこの世をしっかりと分けることができます。いわゆる「結界」のようなものだと考えてください。結界を張ることで、お墓を特別な空間と考えることができるようになります。
外柵を作るときに素材になるもの
外柵はお墓と一緒に購入できるのですが、外柵の素材に何を使えばいいのかと悩んでしまう人も多いようです。墓石と同じように、外柵にも様々な素材が用意されているので、特徴などを知り条件に合ったものを選びましょう。
◆御影石は一般的に多く選ばれている
外柵には「御影石」が多く使われています。御影石というのは、マグマが「ゆっくり冷えて固まった石」の種類です。耐久性に優れており、半永久的に壊れることがないといわれている石なので、現在では多くの人が御影石で外柵を作ります。
◆昔は大谷石を使うことが多かった
昔は外柵の素材として大谷石を使うことが多かったのですが、加工しやすい石ではありますが硬度がないので、劣化しやすいというデメリットがありました。そのため、現在になり大谷石で作った外柵が、どんどん劣化しています。
大谷石以外にも、コンクリートブロック石を使って作られた外柵も昔は多く、現在になり劣化が加速している状況です。このように劣化してしまう素材は、現在使うことはほとんどありません。先を見越して、劣化しにくい素材で外柵を作ることで安心感を得ることができます。
外柵にもデザインがある
外柵は墓石の周りを囲っている壁ですが、実は様々なデザインがあります。墓石の雰囲気に合わせて外柵のデザインを決めることもできます。また、関東と関西では外柵のデザインが異なるケースが多いので、それぞれについてご説明します。
◆関東のデザイン
関東では、豪華な雰囲気が漂うような外柵を作ることが多いです。階段を作ることもあり、外柵を設置するだけでお墓の雰囲気がガラッと変わり、豪華で高級感が増すような効果もあります。
◆関西のデザイン
関東と比較して、割とシンプルなタイプの外柵が多く使われています。関東と関西で考えると、関西の方が賑やかなイメージを抱く人も多いでしょう。ただ、外柵は意外とシンプルで使いやすさを重視するようなものが多いのが関西の特徴です。
外柵もお墓を購入するときに重要なアイテムとなる
お墓を購入するときに重要視するのは、やはり墓石の素材や価格になってしまうでしょう。ただ、墓石以外にも色々と揃えなければならないものがあります。その1つが外柵であり、外柵のデザインや素材によって、お墓の雰囲気も変わっていきますので、業者さんや家族としっかり相談をして外柵を決めていきましょう。