墓を建てるときに、それぞれ「区画」が分けられた土地があります。この土地のことを「墓所(ぼしょ)」といいます。お墓は墓所という区画の中に建てられることになり、他の墓所との境界線をハッキリさせるために「外柵」を置くのが一般的です。墓所という言葉は、墓地と同じような意味で使われていますが、一応それぞれに別ものとなります。

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墓所とは?種類や選ぶときのポイントを解説
現代では、墓所の種類が増えており、様々なタイプがありますので種類と選ぶときのポイントについてご紹介します。
墓所の種類
・ゆとり墓所
一般的な墓所と比較して、隣の墓所とのスペースが広いタイプです。その名のとおり「ゆとり」があり、隣の墓所とスペースがあるので狭苦しい印象のあるお墓ではなく、少し広々とした印象のお墓を建てることができます。
・一般墓所
墓所の区画が密着しているようなタイプで、一般的に多くみられるお墓のスペースです。隣同士でスペースがないので、窮屈なイメージがあり、お墓参りをしたり、お墓の掃除をするときなどに不便と感じることもあります。
・花壇墓所
墓石の周りを花壇にして、花で囲んである墓所です。植栽に関しては決められた場所のみになりますが、隣の墓所と境界線がハッキリしているので、管理はしやすい墓所になります。
・ガーデニング墓所
割と広い墓所の区画があり、植栽も墓石の周りに好きなように実施することが可能です。好きな花を活けることができますし、管理に関してもとても自由度が高い墓所です。
墓所を選ぶときのポイント
墓所は霊園や墓地の中で、どんな場所にあるかという部分を見極めることで、納得のいく場所を見つけることができます。お墓の管理をすることを考えて、墓所を選ぶのが重要なポイントとなります。では、具体的なポイントを1つずつご紹介しますので、参考にしてみてください。
・墓所区画のスペースをチェック
とても重要なポイントは、区画の広さをチェックすることです。まずは、お墓を建てることを想像して、どのくらいのスペースが必要なのかを考えましょう。
建てば、小さな区画である「一般墓所」であれば「外柵」を付けないと隣の区画と境界線があいまいになってしまいます。また、掃除をするときなどに境界がないと不便を感じることがあります。
逆に、区画が広すぎると管理する手間が増えてしまうことがありますし、植栽などにこだわりすぎてしまい、掃除が大変になることもあります。ですから、お墓を建てたときに、何が必要なのか、どのくらいの広さが適正なのかをハッキリさせておきましょう。
・日当たりをチェック
お墓は基本的に外に建てますので、墓所にどのくらいの日が当たるのかをチェックしましょう。日当たりが悪く、1日中ずっと陰になっているような場所は、墓石にカビが生えたり劣化しやすくなります。逆に日当たりがあまりにも良すぎると、夏場などはお墓参りのときに大変な思いをすることもあります。
適度な日当たりの場所を探して、墓所を決めるようにしましょう。
・出入口からの距離をチェック
とても広い土地に建てられた霊園などは、出入口から墓所まで距離が離れているケースがあります。また、墓地の管理棟とも距離が離れていると、お墓参りをするときに不便です。
墓所と出入口、管理棟など各施設との距離ができるだけ近い場所を探すのがポイントです。
墓所と墓地の違いとは?
それでは最後に、墓所と墓地の違いについてご説明します。言葉がとても似ており、同じような意味で使われることもありますが、厳密にいえば墓所と墓地は別物です。
・墓所とは?
墓所は、「お墓が置いてある場所」のことを意味しています。墓地の敷地内では、他のお墓との区別をするために「外柵」などを付けて境界線をハッキリとさせます。墓所は境界線内にあるお墓が置かれた場所のことで、1区画ずつ別の家のお墓があるという区別をするための場所です。
墓所に納骨のために必要なカロートを設置して、その上から墓石を置きます。こうすることで、墓所にお墓を建てたという状態になります。
・墓地とは?
墓地というのは、遺骨を埋葬するためにお墓を建てるときの「区域」のことです。つまり、お墓1つが置いてある墓所ではなく、たくさんのお墓が置かれている敷地全体のことを墓地といいます。
墓地にはお墓以外にも、管理事務所や駐車場、休憩所などの施設があります。こういった施設などとお墓が置かれた区域をまとめて墓地と呼びます。
ちなみに「墓地・埋葬等に関する法律」というものがあるのですが、その中で墓地についてこのような定義が決められています。
『墓地とは、墳墓を設けるために、墓地として都道府県知事の許可をうけた区域』
今後のためによい墓所をみつけましょう
墓所を探すということは、そこに一生もののお墓を建てるということになります。様々な条件を加味しながら、後悔しない墓所をみつけましょう。