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回し焼香の意味と手順について
回し焼香は、簡単にいえば『座った状態』で焼香の『香炉』を手元に置いて、自分が焼香を終えたら隣の人に香炉を回すという方法の焼香です。
具体的には、狭い会場や自宅などで葬儀を行うときに、回し焼香をすることが多いです。
回し焼香の準備
回し焼香の準備について、簡単にご説明します。
まず、『香炉』を『香炉台』という専用の台に乗せますが、香炉台がない場合には『香炉と抹香』を同じ『お盆』の上に乗せて回していきます。
お盆に乗せるときには、『左に香炉・右に抹香』という順番で置くようにします。
そして、香炉に火種を置き『香木』を燃やしておきます。これでいつ焼香をしても大丈夫なように、準備が整います。
回し焼香の手順とやり方
それでは実際に、回し焼香のやり方を順に沿ってご説明します。
- 読経をしている僧侶から喪主に香炉が手渡される
- 喪主が焼香をして、その後に参列者が順番に香炉を回しながら焼香する
- 参列者は自分に香炉が回ってきたら『会釈』を軽くして香炉を受け取る
- 香炉を正面に置いて『一礼』してから『抹香』を手に取り香炉にくべる
- 焼香が終わったら祭壇に向かい合掌をする
- 香炉台またはお盆に両手を添えながら、隣の人に香炉を回す
以上が、回し焼香のやり方です。
狭い会場や自宅などでは、参列者や親族がとても近い場所に座っていますので、座った状態のまま香炉を回すという方法で焼香をするのがとても効率的ということで、回し焼香が行われています。
回し焼香でお金を納める習慣がある?
回し焼香では、地域によって香炉台にお金を置くという習慣があります。
例えば100円玉などの効果を香炉台やお盆に置いて、回し焼香を進めていくのです。
このお金は、最終的にお寺に納められることになります。
回し焼香で最後になった場合のマナー
回し焼香は隣の人に香炉を回して焼香するという形式なので、最終的に『最後の焼香』をする人が出てきます。
そんなときはどうしたらいいのか?
もし、回し焼香の順番で最後に焼香をすることになった場合には、香炉を『喪主に戻す』ようにしましょう。
喪主は香炉を受け取り、また僧侶のもとに持っていき、僧侶の脇の方にそっと香炉を置きます。
これで、回し焼香がすべて完了となりますので、最後になったとしても慌てずに焦らずに喪主に香炉を渡すようにしましょう。
回し焼香のセットはレンタルできるのか?
回し焼香では『香炉』『抹香』などを使いますが、こういった焼香セットをレンタルすることも可能です。
自宅に仏壇がない場合には、基本的に香炉もないことがほとんどです。
もし急な葬儀になった場合には、基本的に葬儀社に相談をすれば焼香セットを準備してくれますので、安心してください。
宗派によって焼香のやり方に違いがある
多くの宗派では1回または3回の焼香をするのが基本です。
ただ、回数はあまり大切な要素ではないので、葬儀を行っている家の宗派や自分が信仰する宗派などに合わせて、焼香を行えば何も問題はありません。
もし相手の宗派が分からない、自分の宗派も知らないという場合には『1回』だけ焼香をしておけばマナー違反にもならないので、覚えておきましょう。
回数に関しては、あまり考えすぎなくてもいいのですが、焼香の手順については宗派によって考えなどがありますので、宗派を意識する必要があります。
簡単にですが、代表的な宗派の焼香の手順をご説明します。
<曹洞宗の焼香のやり方>
曹洞宗では、焼香をするときに左手を右手に添えながら行うのがポイントです。
また、焼香の回数は2回行うのが基本となります。
<真言宗の焼香のやり方>
真言宗では『3』という数字をとても大切に考えていますので、焼香は3回行うのが基本です。そして3回すべて額まで上げる場合と、最初の1回だけを額まで上げる場合があります。
<浄土真宗大谷派の焼香のやり方>
浄土真宗大谷派では、焼香を2回行いますが手を額まであげないようにするのがポイントです。
ちなみに浄土真宗の『本願寺派』の場合は、1回行うというのが基本マナーになりますので、注意しましょう。
回し焼香の意味とマナーを知り失礼のないように実践
回し焼香という焼香の方法は、一般的なものではありませんが、狭い自宅や小さな会場であれば行われることがあります。
もちろん、回し焼香を行う場合であれば、葬儀社のスタッフや喪主から回し焼香をするという報告がありますので、安心してください。

回し焼香のやり方を覚えておけば、失礼のない行動をとることができますので、ぜひ覚えておきましょう。