喪章(もしょう)というリボンタイプと腕章タイプの装飾品をご存じでしょうか。通夜や葬儀の際に遺族が身に着けているものです。自身が遺族側になったとき、喪章をつけることがあるかと思います。

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喪章を身に着ける目的と種類
通夜や葬儀で喪章を身に着けている人は、基本的に遺族だと思っていいでしょう。では、どうして遺族が喪章を身に着けるのか、その目的と喪章の種類をご紹介します。
喪章をつける目的
喪章は通夜や葬儀の際に、遺族が身に着けるものです。「喪」という文字が使われているように、弔事で使われるものとなります。黒と白を基調にしたもの、または黒だけという色合いで作られており、古くから弔事で使われています。
もともとは「亡くなった人の死を悼む」という意味で身に着けていたのですが、現代では「遺族」だということを分かりやすくするために喪章を使うことが、1番の目的となっています。つまり昔は故人のことを想い、気持ちを表すものとして使われていたものが、現代では遺族であることを示すものとして使われているということです。
ですから遺族や葬儀の関係者以外の人間が、喪章を身に着けることはありません。また、必ずしも喪章を身に着けなければならないわけではないので、遺族であっても喪章をつけていない人もいます。
喪章には2つの種類がある
喪章は「腕章タイプ」と「リボンタイプ」の2種類があるので、それぞれの特徴をご紹介します。
◆腕章タイプ
黒色のみで作られている腕章で、10㎝ほどの太さがある腕章タイプです。安全ピンで留めるタイプやマジックテープで留めるタイプがあります。最近では、喪服に直接安全ピンを刺すと生地が傷んでしまうので、マジックテープタイプが普及しています。
◆リボンタイプ
リボンタイプにも様々な形状がありますが、基本的に胸元につけるタイプとなります。黒色と白色を合わせて作られているものが多く、白薔薇をモチーフにしているものや生地を捻ってリボンの形状にして留めるタイプなどがあります。
喪章はどの程度の親族まで身に着けるべき?
喪章は遺族が身に着けるものだとご説明しましたが、故人から見たときに「4親等」までの遺族が該当者となります。
◆4親等とは?
・祖父母の兄弟
・甥や姪の子ども
・孫の孫
このように、かなり広い範囲で喪章を身に着けることができますが、現在では4親等に当たる人が喪章をつけることはほとんどありません。
親族の繋がりがとても深い場合などは、親族同士の関わりが多いので4親等であっても通夜や葬儀に参列することはあります。しかし現代の核家族化により、4親等までの付き合いがないというケースが多いので、喪章をつける世代が少ないのが現状です。
喪主だけが身に着けるケース
喪章を身に着けている人がいれば、「この人は遺族だ」「関係者だ」ということが一目瞭然なので、お悔やみの言葉などをかけやすくなります。ですから、遺族が全員喪章を身に着けることもありますが、最近では喪主だけが身に着けるというケースも増えています。
喪主だけが喪章を身に着ける場合は、自分が喪主だということを周りに分かりやすくするために、リボン型で胸元につけておくことが多いです。こうすることで、喪章をアピールしやすくなります。
受付の人が喪章を身に着けるケース
中には通夜や葬儀の受付を担当している人が、喪章を身に着けるというケースもあります。基本的に受付というのは、故人や喪主の同僚や、付き合いがあれば町内会の人間などが行い、遺族や葬儀社のスタッフが受付をすることは、ほとんどありません。
ただ、参列した人からすれば受付の人は故人の親族や関係者というイメージがありますので、振る舞いなどもしっかりとしなければなりません。そのため、受付の人も喪章を身に着けて「故人の関係者です」というアピールをするのです。
もちろん受付の人が、すべて喪章を身に着けているわけではありませんが、こういったケースもあるということを覚えておきましょう。
喪章はどこで買うのか?
喪章は基本的に、葬儀社が用意をしてくれますので個人的に購入する必要はありません。また、受付の人にも喪章を身に着けてもらう場合には、葬儀社の人に予め伝えておけば用意してくれます。購入になるかレンタルになるかは、葬儀社によって異なりますので相談をしておきましょう。

喪章の目的と意味を覚えておくと便利です
喪章は遺族や受付の人が身に着けるものなので、パッと見たときに「あの人は遺族だ」ということが分かります。簡単な挨拶などをしたいときにも、喪章を確認すれば遺族を見つけやすいという利点もあります。喪章の目的や意味を知っておくと、通夜や葬儀に参列したときに便利です。