お墓とは、ひとことで語り尽くせないほど様々な意味や願いなどが込められています。その中で今回は「吉相墓(きっそうぼ)」というお墓について、ご紹介したいと思います。吉相墓は「墓相学」という、人間の「手相」のお墓版のようなものから見て、「吉」とされる相をもつお墓のことをいいます。

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吉相墓とは?家系図の作成と専門家が必要
吉相墓は、陽明学や風水などの視点から見て「一族・一家」の繁栄を願い、建てられるお墓のことです。一般的なお墓とは異なり、墓相学の視点から見て「吉相」が出ているお墓を建てることが目的となります。ですから、素人が勝手に吉相墓を建てるのは、とても難しいことであり、基本的には専門家の知識を借りる必要があります。では、具体的に専門家に相談をして、何を行えばいいのかをご説明します。
吉相墓は専門家に依頼をする
吉相墓は「墓相学」を基にして建てるお墓なので、墓相学に精通した専門家の意見を聞く必要があります。墓相学と聞いても、いまいち理解できないという人も多いでしょう。簡単に言えば、手相占いのようなものだと考えてください。
例えば手相を見てもらったときに「生命線が長い」「運命線の形が〇〇だから良い運勢だ」など、手相によりその人の運勢が分かり、今後の生き方などのアドバイスをしてもらうことができます。
同じように、墓相学ではお墓を建てるために必要不可欠な「場所・お墓の色・方角」などを見て、「吉」と考えられているものを取り入れていくことにより、良いお墓を作ることができるようになります。
このように、墓相学から「吉」となる条件を満たすお墓を作っていくので、吉相墓を建てるのであれば専門家に相談をする必要があります。
吉相墓に家系図は必須
吉相墓を建てるには、「家系図」を作成しなければなりません。ただ、家系図といっても「自分・両親・祖父母」など、考えて分かる程度のものではなく、「戸籍謄本」を集めて戸籍を読み解いていく必要があります。
戸籍謄本から家系図を読み取り作成するというのは、とても手間がかかりますし、知識がなければうまくできません。三代くらいなら、自分でも簡単に家系図を作れると思う人もいらっしゃいますが、実際にはとても難しいものなのです。
ですから、吉相墓のために家系図を作成するときには、やはり専門家に相談をするのが得策といえます。もちろん、家系図や戸籍の知識があって、得意だという人がいれば作成しても問題はありません。
吉相墓の専門家には詐欺師もいる!?
吉相墓に必要な専門知識を持っている人、墓相学を得ている人というのは「客観的な指標」を持っているわけではありません。つまり、「私は墓相学の専門家です」「私は吉相墓を建てるプロです」と言われても、それが本当なのかどうか証明するものはありません。
逆をいえば、皆さんも「吉相墓の専門家です」と名乗ることもできるということです。もちろん、こうやって知識もないのに専門家のふりをしてお金を騙し取ることは、詐欺になりますので絶対にやってはいけません。
また、吉相墓を建てるときには、本物の専門家に相談をしなければなりません。ですから、依頼しようとしている専門家が本当に吉相墓に精通しているのかどうか、その人の経歴などをチェックして、信頼できるのかを調べる必要があります。
吉相墓の費用
吉相墓を建てようとすると、一般的なお墓と比較して「高額」になってしまうことがほとんどです。それは、吉相のための条件を満たすことにより、妥協する部分がなくなってしまうので、高額になるという理由です。
もちろん、吉相墓の専門家も無料ではなくお金を払って依頼をしますので、一般的なお墓では不要な費用が出ていくことになります。また、吉相墓は世代が変わるたびに建てるものなので、代々お金がかかることになります。
このような費用面で無理をすると、いくら吉相墓を建てたとしても家庭に良い影響が返ってくるよりも、家計を圧迫してしまうケースもありますので、気を付けてください。無理をしてまで、吉相墓を建てる必要はありません。
吉相墓と赤土の関係
吉相墓には「赤土」を使うのが良いという考えもありますが、絶対に赤土を敷かなければならないというわけではありません。むしろ、赤土は年月が経過すると周りが赤くなってしまうというデメリットもあります。
もちろん赤土が吉相墓の条件として、良いものとされているのは事実ですが、近年では「黄色の土」を使うこともあるので、専門家と相談をして土の色を決めていきましょう。
吉相墓の納骨方法
吉相墓は「カロート」と呼ばれる、一般のお墓にある納骨スペースがありません。ですから吉相墓の場合は、石塔の下に納骨をすることになります。これは、一般のお墓で行われる納骨とは異なる方法なので、注意してください。
吉相墓で一族に良い影響をもたらす
吉相墓は一族に良い影響を与えてくれると考えられています。代々続いてきた吉相墓や、これから吉相墓を建てるという場合には、専門家の精査や一般のお墓との違いなどを理解しておきましょう。