分骨(ぶんこつ)とは、その名の通り遺骨を分けるという意味になります。遺骨をただ分けるだけであり、分骨にて埋葬をしないという場合には「分骨証明書」は不要です。ただし、分骨して埋葬をするのであれば「分骨証明書」が必要となります。

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分骨とは?どのくらいの費用がかかるのか
分骨は遺骨を分けること自体を指す言葉で、その後に分骨して埋葬をする場合は「分骨証明書」が必要となり、埋葬をしない場合は不要となります。
ただ、分骨をして埋葬をすることに関して認めないという墓地も未だに多く存在しますので、埋葬をする場合には確認をしておきましょう。
分骨に必要な費用
分骨をすると、様々なことに費用がかかりますので、予め確認をして準備をしましょう。
◆骨壺の費用
分骨をすると、分けた遺骨を骨壺に納めなければなりません。分骨をすれば、通常の骨壺よりも小さめの骨壺に納めることができるので、1万円前後で購入できます。
また、本山納骨という方法であれば、分骨をしたときに「喉仏の骨」だけを分けられるので、さらに小さな骨壺で済み、2000円ほどで購入ができます。
◆石材店の費用
お墓に納められた遺骨を取り出すときに、納骨室の蓋を開けなければなりません。自分で開けることができれば費用はかからないのですが、開けられない場合には石材店にお願いをします。
石材店に頼むと、2~3万円程度の費用がかかります。
◆お布施の費用
分骨をするときに、お墓から遺骨を取り出したら「開眼供養」と「閉眼供養」を行わなければなりません。このとき、僧侶が読経をしますのでお布施が必要となります。
お布施には相場があり、どちらの供養にも1万円~5万円程度の費用がかかります。また、僧侶が遠くから来てくれた場合には、車代を5千円~1万円ほど渡します。
◆護持費用
分骨には、本山分骨という方法があります。これは、分骨した遺骨をその方の宗派のある本山に合祀するものです。もし本山分骨をするのであれば、本山に対して護持費を支払う必要があります。
相場にはとくに決まりはなく、信徒の気持ちに委ねられていますが、浄土真宗の本願寺派には3万円以上という決まりがあります。
分骨は個人的に行うことができる
分骨には、様々な費用がかかるとご説明をしたのですが、だからといって必ずしも個人的にやってはいけないわけではありません。

分骨の後に行う供養
分骨をした後には、遺骨をしっかりと供養する必要があります。その供養の方法も、いくつかありますのでご紹介します。
・他のお墓に遺骨を埋葬する
分骨した遺骨は、他のお墓に埋葬するという方法です。他の霊園、納骨堂、墓地に納めます。
・本山分骨
遺骨の一部を宗派の本山に納骨します。他の遺骨と合祀されるので、一度行うと遺骨を取り出すことはできなくなります。
・自然葬
遺骨を海、山などの自然に還す方法です。故人が生前に自然に還してほしいと願っていた場合などに、自然葬を行います。樹木葬、散骨などの種類があり、近年は自然葬を行う人が増えています。
・手元供養
遺骨を自宅で管理する方法を手元供養と呼びます。遺骨を納骨同や墓地に納めないで、自宅にて保管をする方法です。
ペットの遺骨でも分骨は可能?
人間だけではなく、ペットが亡くなった時にも火葬をして遺骨を残します。そして、ペットの骨を分骨することも可能です。
分骨に適した部分は、歯・爪など再生が可能な骨が理想ですが、特にどこの骨という決まりなどはありません。分骨をしたら、手元供養をして管理してあげましょう。
納骨の前に分骨をする方法もある
これまでは、すでにお墓に納められた遺骨を分骨する方法についてご説明してきました。実は、その他に納骨をする前に分骨をする方法があります。
もし納骨前に行うのであれば、火葬場で分骨の手続きを行います。火葬場の職員に「分骨をしたい」という旨を伝えておきましょう。そして、分骨用の骨壺を予め用意しておけば、問題ありません。
分骨をしたら位牌はどうなる?
分骨をしてもらった場合、位牌はどうなるのか?という疑問を抱く人も多いでしょう。位牌は特別なものだというイメージがあるので、もう1つ作ることは不可能だと思っている人もいますが、実は位牌は複数個作っても問題ありません。
ただ、宗派によって考えや決まりなども異なりますので、予め宗派に確認をして従うようにしましょう。
分骨をするときにトラブルが起きないように!
分骨は、大切な先祖の遺骨を分けるという行為なので、トラブルが起きないようにしっかりと事前準備をしてから実施しましょう。
