儀礼(ぎれい)という言葉を聞いたことがありますか。目にしたことがあるものの、意味が分からないという人も多いようです。

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儀礼の意味と種類について
儀礼という言葉の本来もつ意味と、儀礼を使う言葉の種類がいくつかありますので、それぞれについて詳しくご説明します。
儀礼の意味について
儀礼というのは、ある一定の形式で行われる「宗教的な儀式」のことを指します。また、慣習により整えられた形式である「礼式」という意味もあります。
その他にも、規則正しい一連の行為のことを儀礼と呼ぶことがあります。例えば、普段から家に帰ってきたら玄関で靴を脱ぎますが、これも規則正しい行為であり儀礼といいます。
つまり、生きている中で行われている「一定の形式」や「一連の行為」などを、まとめると儀礼と呼ぶことができるわけです。
儀礼の種類とそれぞれの意味
儀礼には、大きく分けて2つの種類があります。それぞれにどのような意味がある儀礼なのかを、ご説明しましょう。
<葬送儀礼>
亡くなった人を葬るという一連の行為として「葬送儀礼」というものがあります。葬送儀礼はいわゆる「葬儀」と同じ意味で、言葉を略したものと正式名称になります。
葬儀では、様々な宗派によって執り行い方がことなりますので、宗教観念が見られる儀式でもあります。
ただ、どんな形であろうと、亡くなった人の冥福を祈る、そして残された人たちが故人の死を受け入れるための儀式に変わりはありません。
<人生儀礼>
人生儀礼というのは、「通過儀礼」とも呼ばれています。
人生の中で宗教的なこと、慣習的な行事などについて人生儀礼といいます。
例えば、一般的に「七五三」や「成人式」などが行われていますが、これらも人生儀礼の1種です。
人生の中で「節目」となることがいくつかありますが、その中には「結婚式」も含まれています。もちろん結婚式を行わない夫婦もいますが、儀礼として結婚式をする夫婦もいます。
こういった人生儀礼というのは、強制ではなくこれまでの風習として残ってきたものであり、個人でやるかやらないかを決めることができます。
儀礼のときに着る服について
儀礼には、様々な種類の儀式がありますので、それぞれのシーンに合った儀式用の服装を選ぶ必要があります。
儀式を行うときは、カジュアルな恰好はNGとされています。基本的には「スーツ」または「スーツに準ずる」という服装が望ましいです。また、女性であれば「着物」「ドレス」といった煌びやかで華やかな服装をすることもシーンによってはあります。
葬式というシーンであれば、煌びやかな服装はNGなので、男性も女性も「喪服」と呼ばれる地味で暗い色のスーツやワンピースなどを着用します。
儀礼服とは?
儀礼服という「礼服」の種類があります。先ほど紹介した儀礼のときに着る服装とはまた別で、儀礼服という名前の服が存在しています。
この儀礼服は、在職中の警察官、消防隊員、自衛隊員が着ることができる服で、冠婚葬祭で着用することが可能です。つまり、限られた人だけが着ることのできる服ということです。
特徴は「階級章」で、肩の部分には「飾り」もついています。シーンによっては「儀礼刀」を持っていくこともあります。
儀礼服を着る季節が夏であれば「白」、冬であれば「黒」という色合いまで決まっています。
儀礼と礼儀の違いとは?
儀礼という言葉を見ると、礼儀という言葉の逆になりますが、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。
<礼儀とは?>
礼儀というのは、相手に対して敬意を表すこと、感謝の気持ちを示すことをいいます。日常生活の中で、礼儀は大切な行動だというのは誰もが知っているでしょう。
礼儀を決まった作法で行うことを「礼儀作法」と呼びます。その場所やそのしきたりなどに従って行動をすることです。
このように、礼儀と儀礼は全く意味が異なる言葉になります。文字が逆になっているだけなので、同じような意味だと勘違いしないように注意しましょう。
儀礼的無関心とは?
儀礼的無関心という言葉があります。
これは、同じ場所や状況に居合わせた見知らぬ人々が行っている「礼儀正しい振舞い」のことです。
例えば、同じ空間に複数人の見知らぬ人がいた場合、その存在は認識しますが、相手に対して好奇心などがないという振舞いをすることです。同じ場所にいるけど、私とあなたは無関係ですという意思の表れです。
こういった儀礼的無関心は、マナーとして必要なことでもあります。もし、相手を認識しているのに「じーっと見つめる」など無関心ではないという行動をとれば、無礼なことをしてマナー違反となります。
儀礼の意味を知っておくと便利です!
儀礼の意味を知り、儀礼が何の為に存在しているものなのかを知ることで、自分がどのような振舞いをすればいいのか分かります。覚えておいて損はない言葉です。