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亀甲墓(きっこうばか)とは?沖縄独自のお墓!本州のお墓との違いや歴史を解説

投稿日:2020年5月6日 更新日:

Kikkoubaka

日本でお墓といえば、多くの人が長方形の墓石をイメージするでしょう。ただ、沖縄県には独自のお墓である「亀甲墓(きっこうばか)」というお墓があります。形からして、一般的なお墓とは異なり、見た目もお墓なのかどうか本州の人には分からないようなデザインになっています。

終活アドバイザー「鈴木」
鈴木
そこで今回は、亀甲墓の歴史や特徴などを詳しくご説明していきます。

亀甲墓とは?どのような歴史があるのか

それではまず、亀甲墓の意味や歴史などをご説明します。

亀甲墓の概要

沖縄では独自のお墓として、亀甲墓が存在しています。三角形の屋根がついている「破風墓」というお墓があるのですが、破風墓を模倣しているのが亀甲墓です。その特徴は、名前の通り屋根の部分が亀の甲羅のような形をしているところにあります。

当初は身分が高い人だけを埋葬するお墓だったのですが、1879年に明治政府により琉球王朝が終わります。そして、廃藩置県があってからは庶民も亀甲墓を建ててよいことになりました。

それから、戦後に火葬をするのが日本でも主流になったので、徐々に沖縄でも本州と同じようなお墓が増えていきました。ただ、近年では沖縄に移住をする人たちや、沖縄の文化に誇りを持っている沖縄の人たちが、亀甲墓に注目するようになりました。

亀甲墓の歴史

沖縄では古くに「風葬」という方法で遺体を埋葬する習慣がありました。風葬は、遺体を一定期間、風にさらすことで風化させるという葬送方法です。そして、風葬で死者を供養するために、遺体を風化させなければならないので、斜面に横穴を彫りそこに「堀込墓」を作るようになりました。

16世紀には、堀込墓の正面部分に三角形の屋根をつけた「破風墓」が生まれます。そして17世紀後半になると、破風墓と基本的な作りは同じで、屋根が亀甲模様になっている亀甲墓が誕生しました。

このように、歴史を見ると分かるのですが、16世紀辺りから亀甲墓の基礎が出来上がっていたということになります。ちなみに、沖縄戦があったときには、亀甲墓の大きさが防空壕として利用できるものだったので、防空壕としても使われていました。ただ、アメリカに狙われてしまうことにもなりました。

ですから、アメリカ軍は亀甲墓を見て日本の拠点だと思っていたと考えられています。沖縄のお墓が大きなものだったので、こういった誤解が生まれてしまったのですが、戦後までは亀甲墓は撤去の対象となりました。

亀甲墓が本州の墓と異なる理由

亀甲墓は、本州の一般的な墓と比較すると共通する部分がとても少ないということが分かります。ただ、中国南部にある「唐墓」や台湾のお墓などを見ると、亀甲墓と似ているものがたくさんあります。つまり、亀甲墓は大陸から伝わってきたということになります。

沖縄は琉球王国という歴史を辿ってきており、日本とは異なる歴史を持っています。薩摩藩と貿易をしていた歴史はありますが、中国との関係の方が深かったのも事実です。こういった背景から、日本の一般的な墓と亀甲墓が全く異なるデザインになっているということが分かります。

現在では同じ日本として歩んでいますが、その昔は琉球王国として歩んでいた沖縄だからこそ、本州とは違った文化や風習が色濃く残っています。その1つに亀甲墓も含まれているということです。

亀甲墓の造りと内部の状態とは?

亀甲墓はお墓としてはかなり大きく、1番広い亀甲墓の内部は6~8畳の広さがあります。また、亀甲墓の前には「鏡石(カガンイシ)」「袖石(スディイシ)」「隅石(シミイシ)」という三種類の装飾品が置かれています。

奥の上段に骨壺を置く場所があり、昔の骨壺は本州のものよりも大きかったので、基本的に亀甲墓は4畳以上の広さがあります。

亀甲墓が移住してきた人に注目される理由

亀甲墓は、破風墓を模倣して屋根の部分だけデザインを変えたものです。そして一説では「子宮回帰」を表現しているとも言われています。

亀甲墓を女性の子宮とし、その子宮(墓)に自分が戻るという意味を持っていると考えられています。生まれる前に子宮で眠っており、死んでからは子宮に還るという考え方を亀甲墓に求める人が増えています。

このように、沖縄には独自の文化があり、自然崇拝で祖先のことを大切にしてきた歴史もあります。こういった価値観に共感する人が沖縄に移住をし、亀甲墓に興味を示すようになりました。そのため、亀甲墓が移住者に注目されるようになったといわれているのです。

沖縄にある亀甲墓以外のお墓

・破風墓

亀甲墓の基礎、モデルとなった沖縄独自のお墓です。王家の人のお墓として造られたもので、琉球王朝の人の為のお墓でした。その後、一般の庶民たちも破風墓を使うことができるようになり、そこから進化して亀甲墓が誕生しました。

・屋形墓

破風墓から派生した沖縄独自のお墓で、岩壁を堀込家屋に似せている形をしています。ただ、三角形の屋根ではないので、屋形墓と呼ばれています。

日本の中でも異なる歴史から生まれたお墓がある

沖縄独自のお墓、亀甲墓の歴史や本州となぜ異なる形になったのかという理由を知ることができました。日本の歴史、沖縄の歴史を知ることで、さらにお墓についても詳しくなれます。

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