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ご令室(ごれいしつ)とは?どんなシーンで使う?正しい使い方とマナーは?

投稿日:2020年2月15日 更新日:

Goreishitsu
終活アドバイザー「鈴木」
鈴木
ご令室(ごれいしつ)という言葉を耳にすることがありますが、詳しい意味を知っている人は意外と少ないようです。改まったシーンなどで使う言葉というイメージがありますが、実際に「ご令室」とはどんな意味を持っているのか、こちらで詳しくご説明していきます。

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ご令室の意味と使い方について

ご令室とは、どんな意味があり、どんな時に使う言葉なのかを詳しくご説明します。

ご令室の意味

あまり普段の生活で耳にすることがないので、聞き馴染みがない言葉ではありますが、特定のシーンでは活用されています。

漢字を見ると、なんとなく怖いような暗いような、冷たいようなイメージを抱く人も多いでしょう。そして、どこかの部屋のことかなと思う人もいますが、そうではありません。

実は、「配偶者」のことを示している言葉が、ご令室なのです。その配偶者というのは、夫ではなく、「妻」のことを指します。

ですから、配偶者、夫などに対する言葉ではなく「妻」を呼ぶときの言葉だということを覚えておきましょう。

ご令室の正しい使い方

妻のことをご令室と呼びますが、日常の中で「ご令室」と呼ぶことはありません。では、どんなときに妻をご令室と呼ぶのか?

それは、「訃報」「電報」などを伝えるときです。普段の生活では、なかなか伝えることがないので、特別なときにしか使用しません。

その他に、妻を亡くしてしまった夫に対して挨拶をするときなどにも「ご令室」という言葉を使います。

ご令室という言葉を知らないと、訃報や電報を頂いたときに意味が分からずに、正しい対応ができない可能性があります。

正しくない対応をすると、相手に失礼になることもあるので気を付けましょう。

ご令室を弔電で使うときのマナー

弔電とは葬儀に参列できない人が、お悔やみの言葉を伝えるために送る電報のことです。弔電で「ご令室」という言葉を使うときのマナーについて、ご説明します。

気を付けておきたいのは、弔電を受け取る喪主が「誰なのか」によって、「呼び方」が変わってしまうことです。

先ほどもお伝えしたように、「妻」をご令室と呼びますので、喪主が夫で亡くなった人が妻の場合には「ご令室様」と記載するのが正しい書き方です。

ただ、改まった言葉はとても難しいので、色々と混同して間違ってしまうことがあります。

例えば、会社の部下や同僚の「母親」が亡くなり、その部下や同僚が喪主をした場合には、こんな呼び方をします。

喪主が部下や同僚であれば、亡くなった母親のことを「ご母堂(ごぼどう)様」と呼びます。

喪主が部下の父親、同僚の父親であれば、亡くなった母親のことを「ご令室様」と呼びます。

つまり、喪主が誰なのかによって亡くなった人に対する呼び方が変わります。

そのため、弔電で「ご令室」という言葉を使う際には誰が喪主を務めているのか、きちんと確認したうえで送らなければ、相手に対して無礼な弔電を送ってしまうことになりかねません。

通常、妻が亡くなった時の葬儀では夫が喪主を務めるため弔電でご令室を使っても全く問題ありませんが、何らかの事情があって夫以外の長男、妻の父親などが喪主を務めることもあります。

その際に亡くなった妻を指しているつもりで、ご令室を使ってしまうと喪主を務めている長男、あるいは妻の父親の妻(妻の母親)を指してしまうとことになります。

呼称は喪主を務めている人との関係性についても変わってくるので、わからない時には必ず確認しましょう。

それから、ご令室という言葉を使わずに弔電を送ると、失礼に値するので気を付けてください。妻、配偶者などと書いてしまうと、相手に対して失礼になる可能性があります。

ご令室は結婚式の招待状にも使うもの?

結婚式を行うときは、先だって招待状を送ります。その内容は様々ありますが、改まった言葉を使うときは「令夫人」と記します。

ご令室よりも「令夫人」の方が、結婚式の招待状に相応しいのです。

令夫人は、夫婦2人に対して招待状を送ろうという気持ちがあるものの、奥様(妻)の名前だけが分からないという場合に使う言葉です。

ちなみに、令夫人は「親族や友人の妻」に対しては相応しくありません。その理由は、令夫人が「様」という言葉よりも格上だからです。

親族や友人には、来賓より格上になる「令夫人」という言葉をつけるのは、あまりよくないと考えられています。

ですから、本当ならばしっかりと名前をリサーチして名前を記すのがマナーではあります。ただ、どうしても奥様の名前が分からないときがあります。そんなときは、来賓の奥様だけには「令夫人」という言葉をつけましょう。

また、「令夫人」という言葉には「御」や「様」という文字はつけません。

ご令室には反対語がある

ご令室という言葉には、反対語があります。その言葉が「ご主人」です。普段の生活の中で「ご主人様」という言葉を耳にすることや、使うことがあると思いますので、知っている人も多いでしょう。

ご主人は多くの人が使うので、意味についても知っている人がほとんどです。ただ、ご主人の反対語がご令室だということを知っている人は少ないようです。ちなみに、ご主人という言葉も電報や訃報などで使うので、ご令室と一緒に覚えておくといいでしょう。

また、ご令室の反対語として「御夫君」、「ご夫君」が使われることもありますが、こちらは結婚式で使われることはなく、葬儀の時に使われる呼称です。

結婚式では妻を指す時に令夫人、ご令室のどちらを使っても問題ないとされていますが、令夫人の場合は厳密にいうと反対語がなく、過去に「同夫君」と表記されたことはあるものの現在はご主人様が一般的です。

これは、女性の社会進出が世間的に認められておらず「妻は夫よりも前に出ない」と考えられていた時代の名残とも言われています。

冠婚葬祭では敬意を表すために特別な呼称が使われますが、おめでたい席である結婚式で使って良い呼び方、お悔やみの席で使うべき呼び方についてもしっかりと分けて覚えておきましょう。

ご令室を使った手紙の書き方

相手の会社、身内について(三人称)手紙で書くときには「敬称」を使います。その継承の1つとして、相手の妻のことを指すときに「ご令室」という言葉を使います。ちなみに手紙なので、「奥様」「令夫人」という言葉を使っても問題はありません。

また、相手の会社を指す場合には「貴社」「御社」という言葉を使い、相手の住まいについては「貴邸」「尊宅」という言葉を使うと、丁寧な手紙になります。ご令室という言葉だけを使っても、その他の文章や言葉があっていなければチグハグな手紙になってしまうので、相手を敬うという気持ちを表すような文章を選びましょう。

ご令室を弔電で使うときの文例

では、具体的にご令室という言葉を使った弔電の文例についてご紹介します。

◆簡単な文章

「ご令室様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。在りし日のお姿を偲びつつ、ご冥福をお祈りいたします」

「ご令室様の訃報に接し心よりお悔やみ申し上げます。ご生前をお偲びし、悲しみにたえません。心よりご冥福をお祈りいたします。」

◆少し長い文章

「ご令室様の突然の悲報に接し、驚いております。残されたご家族の皆様のご心情を御察しし、すぐにもお慰めに飛んでまいりたいですが、遥かな地よりご冥福をお祈りいたします。」

「ご令室様の急逝を謹んでお悔やみ申し上げます。笑顔が美しく、素晴らしい母親であったと存じております。素敵なご令室様でございました。残されたご家族を見守っていることでしょう。」

このように、簡単な挨拶文のような弔電もあれば、ご令室様のことを思い出して、笑顔が美しい、料理が上手だった、優しかったなど人柄について書いてあげることも可能です。思い入れがある方であれば、このように人柄についても記載するとよいでしょう。

また、残された家族を気遣うような文章を入れることで、本当に心から気にかけている、心配しているという意味を込めることができます。

ご令室以外に間違いやすい敬称

今回はご令室という言葉についてご説明をしましたが、その他にも改まった敬称というものがあります。

色々と混同してしまうことが多いので、ここでまとめておきましょう!

・父:ご尊父(ごそんぷ)
・祖父:ご祖父(ごそふ)
・母:ご母堂(ごぼどう)
・祖母:ご祖母(ごそぼ)
・息子:ご子息(ごしそく)、ご令息(ごれいそく)
・娘:ご息女(ごそくじょ)、ご令嬢(ごれいじょう)
・兄や弟:ご令兄(ごれいけい)、ご令弟(ごれいてい)
・姉や妹:ご令姉(ごれいし)、ご令妹(ごれいまい)

このように、それぞれの立場によって敬称が異なりますので、間違えないように気を付けましょう。

また、全ての敬称には「様」をつけるのが正しいとされています。

ご令室などの敬称は覚えておいて損はない!

ご令室など、普段は使わない敬称を覚えておくと「いざというとき」に役立ちますので、覚えておくとスマートです。

訃報を受け取った時などに誰が亡くなったのかわからないと慌てることがないよう、日常生活で使うことはなくても敬称とそれぞれの関係性についてはきちんと把握しておきましょう。

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